【JAPAN最新号】2021年、YOASOBIは何と戦ったのか? ――今振り返って思うこと、そのすべて

【JAPAN最新号】2021年、YOASOBIは何と戦ったのか? ――今振り返って思うこと、そのすべて

「おもしろいことをやれる/やろう」というところで合流して、「本気で遊んでいるんだ!」ってスッと立ち返れたのが、夏くらい。
YOASOBIをどうやっていくかっていうマインドがそこで変わった――変わったというか、戻ったというか(Ayase)

現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』1月号にYOASOBIが登場!

2021年、ふたりは何と戦ったのか?
今振り返って思うこと、そのすべて――

インタビュー=小栁大輔 撮影=ヤン・ブース


今年1月にリリースされた『THE BOOK』以来、約1年が経ち、YOASOBIにとって、2枚目となるEP作品『THE BOOK 2』がリリースされる。今年に入りリリースされた楽曲すべてが収録されていて、ここに入っているのは、“優しい彗星”“怪物”“もう少しだけ”“三原色”“ラブレター”“大正浪漫”“ツバメ”、そして新曲“もしも命が描けたら”の全8曲、ということになる。
書き下ろしの新曲はさておき、おそろしいことにすべてがすべて、凄まじい再生回数を記録した「大ヒット曲」である。昨年のYOASOBIは言うまでもなく、とんでもない躍進を果たし、“夜に駆ける”という社会現象級のヒット曲を生み、日本のポップ史を鮮やかに塗り替える革命を成し遂げた。だが、今年、2021年のYOASOBIもまた、その鮮やかな無血革命を継続させ、国民一人ひとりがそれぞれに心を踊らせながら彼らの新曲を待ち、そして実際に一曲ごとに満足させてみせるという、理想という言葉を使うならこの上なく理想的な、まるで夢のようなサイクルを続けてきたのである。すごいのは、一発の場外ホームランによって人々の「記憶」を彩るだけでなく、ヒットを生み続けることによって、誰も疑う余地のない「記録」上の勝利を収め続けていることだ。つまり、YOASOBIは今年もまた、あらゆる音楽ファン、リスナーが日々寄せる、ある意味で無邪気な期待に、真正面から応え続けてきたのである。すごいことだ。しつこいようだが、一発の強烈なインパクトによって――ではないのである。この革命は、ただ一度の失敗すら経由することのない、あまりに完璧なるクリエイティヴの継続によって成し遂げられているものなのだ。ほとんど奇跡的なことだと思う。

ただ、その一曲一曲のクリエイティヴを紐解いていけば、そこにはやはり、昨年のYOASOBIをしてまだ到達できていなかった、見事に更新された「発明」と「気づき」が存在している。それを一つひとつ、Ayaseとikuraが自ら解き明かしてくれたのがこのインタビューである。
この1年、7曲もの楽曲を通して、彼らが表現する世界は、どんどん端的に、具体的に、ますます実直になっていった。しかし、そうして、考えうる限り短く研ぎ澄まされていく楽曲のランタイムと裏腹に、YOASOBIの音楽世界は豊かに、物語は饒舌に、メロディはセンチメンタルに進化していった。楽曲は3分を切り、イントロすら存在せずに、潔くikuraの歌から始まる楽曲が増えていった。それは、Ayaseが「そうしたかったから」という理由以上に、「それが完全体だったから」なのだと思う。そして、言うまでもなく、そのような本質的な進化は、ikuraという不世出のシンガーのさらなる、著しい成長に根ざしている。YOASOBIはやはり、2021年もまた、圧倒的に「新しい」存在だったということなのではないか。この1年間の、彼らの変わらぬ躍進を振り返るにつけ、そんなふうに思えて仕方がないのだ。

ふたりとともに、そんな1年を振り返ったロングインタビュー。彼らとともに過ごした、それぞれの一年間を思いながら、読んでもらえたら嬉しい。(小栁大輔)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2022年1月号より抜粋)



  • 【JAPAN最新号】2021年、YOASOBIは何と戦ったのか? ――今振り返って思うこと、そのすべて - 『ROCKIN’ON JAPAN』2022年1月号

    『ROCKIN’ON JAPAN』2022年1月号

  • 【JAPAN最新号】2021年、YOASOBIは何と戦ったのか? ――今振り返って思うこと、そのすべて - 別冊 クリープハイプ

    別冊 クリープハイプ

  • 【JAPAN最新号】2021年、YOASOBIは何と戦ったのか? ――今振り返って思うこと、そのすべて - 『ROCKIN’ON JAPAN』2022年1月号
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