現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』7月号表紙巻頭にBiSHが登場!みんなが今がいちばん幸せだって思ってるのと同じように、私も同じくらい幸せで。
うん、何もこぼしたくないなって思う瞬間ばっかりなんです(チッチ)
さらばBiSH!!!
6人が歩んだ8年、その奇跡と革命のすべて
BiSHが起こした革命に迫る3時間インタビュー、そして6人で交わす最後のレターズまで――永久保存の全40ページ、最後の表紙巻頭特集!
インタビュー=小栁大輔 撮影=田島一成(mild)
このBiSH最後の表紙号が発売されるのは、5月30日。
JAPANは毎月基本的に30日が発売日なので、この号は6月29日まで店頭に並べられるということになる。
6月29日。BiSHはその日、死にたいくらいに憧れてきた夢の場所、東京ドームのステージに立つ。そして、夢の空間をこれでもかと埋め尽くす超満員の目撃者たちの前で、8年3ヶ月19日の活動を終わらせ、解散する。
どんなライブになるのかはわからない。
だが、きっと、これまでのどのライブよりも幸せな、過去のどの瞬間よりもまぶしい魅力を放つ6人による、その場所にいるすべての人が「何もこぼしたくない」と思うような瞬間ばかりのライブになるのだと思う。
楽しみでならないが、それと同じくらい、その日が本当に来てしまうのだろうかと、いまだに思っている自分もいる。
BiSHは最初から何かが約束されていたグループではない。
馬糞を浴びながら動き出したそのキャリアは、徐々に徐々に少しずつ、「なんなんだこのグループは」という好奇と猜疑の入り混じった目線を、本当に少しずつひっくり返しながら、今日まで進んできた。
BiSHとは楽曲である。と同時に、BiSHとはこの6人の、6通りの生き様と成長の物語そのものである。
彼女たちがその喜怒哀楽と日々を苛む迷いや痛みを刻み、叫ぶように歌ってきたすべての楽曲には、6人の決死の歩みでなければあり得なかった、泥まみれでセンチメンタルで、だからこそ美しい「節」が詰まっている。
“オーケストラ”“プロミスザスター”、“BiSH-星が瞬く夜に-”といった、今では何万人もが同じ振り付けで踊ってみせる名曲はきっと、BiSHが消えても変わることなく、この世界の片隅で輝き続けるだろう。
しかしそれも、6人が6人に定められた「アイドルの命」を燃やし、本当に少しずつ、無数の時間をかけて、一つひとつの「なし」を「あり」に変えてきた結果の奇跡――あるいは、全員が歌詞を書き、ユニゾンではない独唱をバトンのようにつなぎ、6人バラバラの衣装を身にまとい、いびつな個性のまま生き抜いてきた、その長い道の果てで手にした、この6人だけの勲章なのだと思う。
そんな活動の絶頂で突然発表された「解散」は、彼女たちの生き様を永遠にするための、もっとも革命的な決断だったのだと思う。
さらば、BiSH。さよなら、いびつに輝き続けてきた6つの星よ。
この最後の特集で残したいと思ったのは、BiSHが生き抜いてきた革命の軌跡にあった、汗と涙、そのすべてである。(小栁大輔)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年7月号より抜粋)
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