【JAPAN最新号】Official髭男dism、初のオンラインライブで魅せたグッドミュージック、その底力を徹底考察

【JAPAN最新号】Official髭男dism、初のオンラインライブで魅せたグッドミュージック、その底力を徹底考察
現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』12月号にOfficial髭男dismのライブレポートを掲載!

これぞヒゲダン! 最強のバンドアンサンブルが炸裂した夜。
初のオンラインライブで魅せたグッドミュージック、その底力を徹底考察

文=杉浦美恵 撮影=溝口元海(be stupid)


新型コロナウイルスのおかげでこの2020年は、フェスやライブなど、音楽ファンにとっての多くの楽しみが奪われてしまい、さんざんな年になっている。けれどその一方で、ライブの意義だとか、動画配信・視聴のあり方について改めて向き合うことになり(もちろん、同じ空間で、生で大きな音を体感するに越したことはないというのは揺るぎない思いとしてありながら)いちリスナーとしては音楽の楽しみ方が広がった、更新されたというポジティブな側面も否定できない。この時代のテクノロジーがあってこそというのは間違いないが、「オンラインライブ黎明期」とも言える今、バンドやアーティストによって、その捉え方や哲学が様々に違うのも逆に面白い。各バンド/アーティストのキャラクターや規模感によるところも大きいが、無観客のライブでも、ざっくり言えば「あくまでも通常のライブの熱をオンラインでもできる限り届けようと画策する」方向性と、「通常のライブとは別の楽しみを提示する」方向性とに分けられるような気がする。そしてどちらも今、それぞれに楽しめている自分がいる。どちらが正解ということでもない。けれど確かに、配信ライブは通常のライブとは違うものだからこそ、そこに新たなプラスアルファ、もしくは、通常時を凌ぐサムシングがなければ、大きな感動を生むことはできないだろう。しっかり編集された過去のライブ映像作品を観る楽しみとは、また違った「ライブ」感を視聴者は欲しているし、ライブ会場の実際の熱や音の圧は画面越しでは残念ながら物理的に感じ取ることはできない(想像することはできる)。ではどうするか。というところで、それぞれのアーティストの個性が出る。配信する音のバランスやセットリストも重要だが、視覚的要素、つまりカメラワークやスイッチング、また照明の効果的な使い方、暗転のタイミングなど、これまで通常ライブでは、あまり語られることのなかったポイントが、重要な要素として評価される場面が増えてきたようにも思う。だからオンラインでライブを何度か楽しむうちに、視聴者の目も肥えてきているのかもしれない。

Official髭男dismが初のオンラインライブを行ったのは、まさにそんな視聴者の目と耳とが「配信」に慣れたタイミングでもある。機は熟していた。だからこそ、画面越しでじっくりと観る(多くはリアルタイムに加え、アーカイブでも反芻する)リスナーたちは、ヒゲダンだからこそ、きっと期待以上のものを魅せてくれるはずだと思って視聴したに違いない。12万人もの人がリアルタイムでこのライブを観た。そして結果として、この日はヒゲダンの歴史に残るようなライブが繰り広げられたのだ。前置きが長くなったけれど、このヒゲダン初のオンラインライブがいかに画期的だったか、なぜそれが可能だったのかを、自分でも思考を整理しながら、書き進めてみたいと思う。(以下、本誌記事に続く)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2020年12月号より抜粋)



  • 【JAPAN最新号】Official髭男dism、初のオンラインライブで魅せたグッドミュージック、その底力を徹底考察 - 『ROCKIN'ON JAPAN』2020年12月号

    『ROCKIN'ON JAPAN』2020年12月号

  • 【JAPAN最新号】Official髭男dism、初のオンラインライブで魅せたグッドミュージック、その底力を徹底考察 - 別冊 宮本浩次

    別冊 宮本浩次

  • 【JAPAN最新号】Official髭男dism、初のオンラインライブで魅せたグッドミュージック、その底力を徹底考察 - 『ROCKIN'ON JAPAN』2020年12月号
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