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西に傾き始めたビーチの太陽が、ステージのアーティストを正面から照らすSEASIDE STAGE。この時間帯にはthe band apartが登場だ。みっちりとサウンドチェックした4人があらためて姿を見せ喝采を浴びると、鋭くも爽やかなアンサンブルに甘いコーラスが弾け、“coral reef”、“Eric.W”と、5月の風に追想を乗せるようにしながら極上の時間を育んでくれる。ビーチにもうってつけのメロウな歌心を宿しつつ、今にも火花が飛び散ってしまいそうな、このバンアパ唯一無二のライヴの手応えはどうだ。

「あらためまして、the band apartと申します! よろしくお願いします!」と意気込みを漲らせながら荒井岳史(Vo・Gt)が挨拶すると、続いて原昌和(Ba)もMCで爆笑をさらう。猛スピードで”笑うDJ”が駆け抜けると、木暮栄一(Dr)が刻むファンキーなビートに川崎亘一(Gt)の雄弁極まりないギター・フレーズが絡み付き、日本語詞で自分たちの居場所を誇るように“禁断の宮殿”を放ち、新作『謎のオープンワールド』の収録曲を披露していくのだった。続く”I love you Wasted Junks & Greens”でも、その自由奔放な冒険精神と魅惑的な音楽性が剥き出しになっていく。




「俺たちほど、海が似合うバンドはいないと思いますけれども(笑)」と堂々と言ってのけ、さらにオーディエンスの体調まで気遣う荒井が実にカッコいい。そして”ピルグリム”の説得力がMCに追い打ちをかけるように心地好く響き、最後は夕暮れのビーチと都市の夜景を繋ぐ“夜の向こうへ”が、ロマンチックにステージを締めくくる。身を任せるだけで、全身の細胞が勝手に喜び出すようなライヴ体験であった。(小池宏和)



この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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the band apart
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