陽はとっぷり沈んで、いよいよ初日SEASIDE STAGEのアンカーが登場だ。「ラッスンたなしん♪」と澱みないリズム芸で姿を見せたたなしん(Ba / Cho)は、「3、2、1、ファイヤー!!」とテンポ良く恒例のコールを巻き起こしてみせる。真っ赤な衣装を脱いでホットパンツ一丁になっても、今日のこのステージばかりは違和感ゼロである。メンバー4人揃ってまずは”キャッチアンドリリース”が繰り出され、《この幕張ででかいWOW WOW♪》と金廣 真悟(Vo / Gt)のエモーショナルな歌声が切迫感を増す“空ばかり見ていた”、そしてオーディエンスが拳を突き上げながら一層高く跳ね上がる”イチ、ニッ、サンでジャンプ”と、続けざまに楽曲を放っていった。
煌めくギター・フレーズを奏でていた渡邊 幸一(Gt / Cho)は、ステージからの景色の素晴らしさと、遠回りしながらも4年前のCOUNTDOWN JAPAN出演を機により多くのファンと出会う機会に恵まれたことを語り、「感謝の気持ちを込めて、最後まで全力で駆け抜けるんでよろしくお願いします!」と熱っぽい言葉を投げ掛ける。一方、金廣は「今日、みんなで幸ちゃん泣かそうよ」と告げて、初日のトリ出演を喜びながら「俺とどっちがこの時間を楽しめるか、勝負しよう!」とオーディエンスに呼び掛けるのだった。
“アブラカタブラ”、”inトーキョーシティ”、そして”STAY WITH ME”と、パフォーマンスを進めるほどに狂おしさが増幅され、オーディエンスの歌声も大きくなっていくような『inトーキョーシティ』収録曲の3連打が美しい。そして渡邊がニュー・シングル『コピペ』のリリースや、地元・八王子でのワンマン、そして初の武道館公演(11/27)については「(ファンに支えられて)みんなで掴んだ武道館だと思ってます! よろしくお願いします!」と伝えると、金廣は“餞の詩”の背景にある経験を振り返りながら、「今日は、歌いたくても歌えなかったオリジナルの歌詞で歌いたいと思います」と告げ、夜の海いっぱいに広がれとばかりに熱唱を届けるのだった。
そして本編は“拝啓、ツラツストラ”で力強く締め括られたのだが、アンコールに応え4人が再登場。金廣は「じゃあ、アジカン先輩が始まる前にもう一曲だけ……夏は、もうちょっと大きいステージで会いましょう」と笑顔で語り、“未来へのスパイラル”の歌詞を冒頭からオーディエンスに委ねる。ペギ(Dr / Cho)が渾身のスパートをかけるビートの上で歌声が広がり、今日のステージは万感のフィナーレを迎えたのだった。(小池宏和)
この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!
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