BIGMAMAに続き、SKY STAGEにはパスピエが登場! 突き抜ける青空と熱い海風の中、大胡田なつき(Vocal)が「パスピエでーす!」と手を振りながら呼びかけたところで、満場のハンドクラップとともに“贅沢ないいわけ”が鳴り渡り、幕張のビーチは一気に爽快で痛快なポップの理想郷へと塗り替わる。続いて、成田ハネダ(Keyboard)の繰り出す鮮烈なサイレンの如きシンセ・サウンドから“MATATABISTEP”のダンスビートへ流れ込んで一面のハイジャンプを巻き起こす。間髪入れずに“フィーバー”の極彩色のオルガン・フレーズが炸裂する頃には、会場はすっかりメーター振り切れた歓喜と熱気にあふれている。
「こんにちは、パスピエです! 今日は風も気持ちいいし、お天気もいいし。海だしね。みんなといい感じで、楽しい時間を過ごせたらいいなと思います!」という大胡田の言葉を挟んで、“名前のない鳥”の清冽な歌声と躍動感に満ちたアンサンブルでもってSKY STAGEを清涼感で包んでみせる。精緻かつスリリングに編み上げられたポップタペストリーが、“名前のない鳥”では凛としたスケール感を描き出し、キュート&オリエンタルな“とおりゃんせ”では観る者すべての快楽中枢と衝動を心地好くまさぐってみせる。そして、4月29日にリリースされたばかりのニューシングル曲“トキノワ”。三澤勝洸(Guitar)と成田の目映いユニゾン・フレーズに、露崎義邦(Bass)と病気による休養から晴れてライヴ復帰を果たしたやおたくや(Drums)のアグレッシヴなリズムが目も眩むほどの加速感を与え、大胡田のヴォーカリゼーションが陽光を貫くように伸び上がる……パスピエの充実した「今」をこの上なく晴れやかに提示するような楽曲と音像が、オーディエンスの身体と心を激しく震わせていく。
「パスピエは12月22日に日本武道館での公演が決まっておりますので。またみなさんとお会いできたら嬉しいです!」と大胡田が呼びかけて拍手喝采を巻き起こしたところで、ライヴはさらなるクライマックスへ。ニューウェーヴ・ディスコ的ナンバー“シネマ”では一面のハンドウェーブを巻き起こし、5人それぞれの歌と音のエッジが激しく火花を散らす“S.S”ではプログレッシヴ・ポップ的な高揚感渦巻く熱狂ダンス空間を生み出して大団円! 最高のアクトを終え舞台を後にする5人に、惜しみない拍手喝采が広がっていた。(高橋智樹)
この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!
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パスピエ