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音楽と海、潮風吹き抜ける浜辺、照りつける太陽と鮮やかな夕焼け、そして夜空を全細胞で堪能したJAPAN JAM BEACH 2015は、名残惜しいけれどもいよいよ大詰めを迎える。SKY STAGEに3日間最後のアーティストとして登場するのは、6月17日にメジャー初のアルバム『ALXD』のリリースを控えた[Alexandros]だ。たくさんのオーディエンスが高く腕をかざしたまま4人を迎え、川上洋平(Vo,G)が柔らかくギターをストロークしつつ「JAPAN JAMー! お前らの声、聴かせてくれー!」といきなり歌声を誘う。キラキラとサウンドが降り注いでロマンチックな思いを伝播させる“Starrrrrrr”だ。

そして庄村聡泰(Dr)のビートが勢い良く跳ね上がり、磯部寛之(B,cho)が「オラ、聴こえねえぞ幕張ーっ!! もっと来い!!」と全力で煽り立てるのは、真紅の照明に染まるスリリングなロックンロール“Waitress, Waitress!”。「めっちゃ気持ちイイィィ!!」と昂った感情も溢れ出る。上昇線を描き出しながら白井眞輝(G,cho)のフレーズが踊りまくる“city”を経て、川上は「大トリやらしてもらってます! 超カッコいい先輩たちの後ですけど、でも負けませんよ! お前ら全員、虜にしてやるからな!」と力強く宣言。「見てくださいあの月! 最高の照明です」という台詞も様になっている。




メジャー進出の力強い飛翔を描き出す“ワタリドリ”は、《大それた四重奏》なんて歌詞が謙遜にしか聴こえないぐらいの、野心的かつダイナミックなアレンジで届けられる。そこから「愛してるぜJAPAN JAM! 俺たちのこともっと愛してくれよ!」と投げ掛けられる“Dracula La”、更に“Run Away”とアップリフティングな楽曲を畳み掛けていった。磯部と川上が口々に感謝の言葉を届け、新作『ALXD』について「あらためて、音楽楽しいなって思ってます」と感慨を語る。観客に向けて「みんなもロックスターですよ。その、ワアアァッッ!ってなってるところとか、本当かっこいいです」と告げると、『ALXD』収録のエモーショナルな疾走感を誇る新曲をも披露してくれた。

本編がオーディエンスを一様に跳ね上がらせ歌声を上げさせる“Kick&Spin”で熱く締め括られたのち、アンコールの催促に応えて4人が再登場。JAPAN JAMではセッションやカヴァーのパフォーマンスが繰り広げられてきたから、ということで、川上はスマッシング・パンプキンズの“Today”を弾き語りで1コーラス歌い、磯部はJAPAN JAM BEACH 2015のスタッフを労って観客に拍手を促す。そして最後にすべての人々を優しく明日へ送り出すように演奏されたのは“Adventure”だった。バンドの音を止め、音楽を手渡すようにオーディエンスのコーラスだけで締め括られた最後の瞬間は、あまりにも美しかった。(小池宏和)




この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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[Alexandros]
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