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夕方になり涼しい風が吹き始めたSUNSET STAGEに登場したのは、空想委員会だ。長袖のシャツにネクタイという定番のスタイルで、定刻より少し早くステージに現れた3人+サポートドラマーのテディ。おもむろに三浦 隆一(Vo/Gt)が「Base Ball Bearのベースの(関根)史織ちゃん、大好きです」と、告白し始めた!? さらに直前に同じSUNSET STAGEを盛り上げた東京カランコロンのせんせい(Vocal/keybord)もかわいい、ロック界のマドンナ、と引き合いに出したかと思えば、「そういう方々と一緒にライヴができるのが幸せです」と言って集まったお客さんの笑いをとる。出だしからキャラの濃さは全開だ。そして、「さっきの話を踏まえつつ、この曲を聴いてください」と投下したのが、クラスのマドンナを独り占めしたい男の恋心を歌った“独占禁止法”、さらに通学電車のあの子を想う“春恋、覚醒”だった。歌詞の世界は少し情けない男心を描いたものだが、3人が一斉にかき鳴らすベース、ギターのアンサンブルは最高にエッジの効いた直球のロックサウンド。その演奏はまさにかっこいいのひとことに尽きる。



「見た目は、(出演者のなかで)最もビーチ感がないですが、心意気はめっちゃビーチ感ありますので、最後までよろしくお願いします」、そんな三浦のMCのあと、「残響で踊ろうぜ!」と繋いだのは、岡田 典之(Ba)、佐々木 直也(Gt) のグルーヴィーなアンサンブルで一味違う享楽的なムードを築き上げた“残響ダンス”。さらに、ギターの佐々木が「いくぞー!」とシャウトしてから繋いだ“波動砲ガールフレンド”では、キャッチーなサビでフィールドのお客さんも自然と身体が動き出す。メンバーは時々視線を交わし合い、ベースの岡田はカメラ目線でアピールしたりと、楽しげなプレイも印象的だ。

ラスト1曲を残して、7月8日にミニアルバムを発売することと、ワンマンライヴの開催を発表すると、ステージを締めくくったのは「ビーチ感が一番ないバンド、空想委員会の、唯一このシチュエーションにぴったりな曲」と歌い出した“単独飛行少年史”だった。水平線の先にある未来を描いたその歌は、すぐ側に海を臨むこの会場にぴったりだ。そんなポジティヴな楽曲のエネルギーがSUNSET STAGEの隅々まで浸透していくのを嬉しそうな表情で眺めるメンバー。最後に三浦が「ありがとございました。良い夢を! 次はZAZEN BOYSさんです!」と言い残し、次のアクトへとバトンを繋いだ。(秦理絵)




この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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空想委員会
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