サウンドチェックから親密な空気が充満している夕刻のSUNSET STAGEに登場するのはSAKANAMON！　藤森元生（Vocal/Guitar）が両手を広げて走って登場し、「はいー、どうも、いらっしゃいませ、SAKANAMONです！　どうぞよろしくお願いします！」と早口だけど飄々と挨拶を済ませ、1曲目“マジックアワー”へ。どこか哀愁を帯びたエモーショナルな展開は、日没直前のこの時間にピッタリだ。そしてそのまま、「みなさんまだまだ声出していけますか？　まだまだ盛り上がって行きましょう！」と“幼気な少女”“ミュージックプランクトン”へと流れ込む。複雑な展開を支えるシャープで爆発力満点な演奏技術。3ピースバンドの魅力が凝縮されたプレイに、フィールドじゅうに笑顔が広がる。




「ベース、サカナモン界のバカリズムこと、森野光晴！」「ドラムス、サカナモン界の顔面福笑いこと、木村浩大！」「ヴォーカルギター、サカナモン界の能年玲奈こと藤森元生！　じぇじぇ！」という藤森らしい自己紹介で爆笑をさせつつ、その流れで「サカナモン界のちびまる子ちゃんこと、蒼山幸子さんです！」と、本日のセッションゲストである、ねごと・蒼山幸子（Vo.＆Key.）を呼び込む！　白いワンピースを着た蒼山の登場に、フィールドからも大きな歓声が沸いた。SAKANAMONはアルバムを制作するたびに1曲ずつ、女性とのデュエット曲を収録しているが、「もともと、ねごととは仲がよくて。全然キャラは違うけどリスペクトする部分があるというか、音楽に対する向き合い方が近い気がする」「私もSAKANAMONが大好きで。わりと同世代ということで、お誘いいただいてうれしく思っています」と彼らも相思相愛。そんな2組がセッションしたのは、お互いの楽曲。まず披露されたSAKANAMON“架空の色彩”では、蒼山の透明感のある声と、藤森の朴訥としつつも熱のこもった声が重なり、ファンタジックに彩る。続くねごとの“sharp ♯”はSAKANAMONのプレイにより、骨太でタフな印象に。それぞれの楽曲の新たな側面を見せつけた、至福のコラボレーションだった。残りはあと1曲。「まだまだ踊れますか？　最後一緒に踊って帰りましょう！」と、“アリカナシカ”でオーディエンスを熱狂の渦に巻き込み、ラストはマスコットキャラクター「サカなもん」も一緒に全員でジャンプ！　ユーモアと、音楽や仲間への愛とリスペクトが溢れた、充実のステージだった。（岡崎咲子）

この３日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号（5/30発売）」にてレポートします。お楽しみに！