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夕方となり、柔らかになった太陽光。海風が涼しい。とても良いムードが漂う時間となったSEASIDE STAGEにKREVAがやって来た。バックの編成は白根佳尚(Dr)と熊井吾郎(DJ/MPC)。現在進行中の47都道府県ツアー前半戦で披露している「DJ+DRUM STYLE」だ。どのようなグルーヴ、ドラマが生まれるのか? オープニングを飾ったのは“Under The Moon”。高鳴るビート、漂う音像を乗りこなしながら繰り出されるラップがカッコいい。続いて“音色”。やるせないムードを湛えたフロウが観客をうっとりとさせる。曲が幕切れた瞬間、かけていたサングラスを外して不敵な笑みを浮かべたKREVAが、ステージから届ける熱いサウンドと本人の圧倒的な存在感によって、みるみるうちに我々を魅了した序盤だった。

「最高の景色だね。いい音楽があれば、いい景色の記憶が残るじゃない? そのうちのひとつが俺の曲になるようにラップで頑張ってみます」というMCを挟んで、さらに至福の時間が続いた。“基準”“挑め”“ストロングスタイル”が連発され、フィールドで踊る人々の興奮は止まらない。皆の掲げる腕が上気して赤味を帯びてきたように見える。さらには“成功”も飛び出し、もはや誰も彼もが噴き出す汗を止められない状態となっていた。




「声が、体調が悪くてこれが精一杯」、少々かすれ気味の声で喋り始めたKREVA。「レアな声を聴けたと思ってもらえたら嬉しい(笑)。この後は"みんなの力を借りて盛り上げたい”というMCをしようと思っていたので……。喉の薬をステージドリンクにしてやろうかな(笑)。みんなの力を貸してください」と、趣旨を説明してから“Have a nice day!”をスタートさせた。数々のフェスを盛り上げてきたこの曲はやはり野外がとてもよく似合う。揺らす腕のテンポを倍にしたり、歓声を上げたりしながら、皆が心から楽しんでいる。続いて“C’mon, Let’s go”。観客の歌声、クラップ、喝采が加わり、最高の一体感が広がった。そして、イントロが流れる中、突然呼び込まれたスペシャルゲスト。なんと三浦大知! 固く握手を交わしたふたりが歌い始めたのは“全速力 feat.三浦大知”。ステージ上で激しく飛び跳ねながら歌声とラップを絡ませる彼らの姿にワクワクするほかない。このコラボレーションを生で堪能出来るなんて、とんでもない贅沢だ。当然ながらフィールド全体が歓喜のダンスで揺らいだ。

「今、ツアーをやってるから、ぜひ観に来て。最後にみんなの声を貸して欲しい」と呼びかけ、観客に歌ってもらいたいパートを軽く練習してから突入したラストのナンバー“Na Na Na”。海にオレンジ色の夕日が沈もうとしているタイミングで湧き起こった大合唱、力強いクラップが感動的。清々しい余韻を残して迎えたエンディングだった。(田中大)



この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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