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いつの間にやら潮が満ち、 ザブンザブンと波が打ち寄せる音がすぐ近くから聞こえてくるなか、登場したZAZEN BOYS。ステージに立った向井秀徳(Vocal,Guitar,Keyboard)、吉兼聡(Guitar)、吉田一郎(Bass)、松下敦(Drums)を観客の熱い歓声が包む。「MATSURI STUDIOから参りました。ZAZEN BOYS!」という向井の挨拶の後は、“サイボーグのオバケ”でスタート。放たれたサウンドに刺激され、フィールドを埋め尽くした人々は夢中になって踊りだした。2曲目は“HIMITSU GIRL'S TOP SECRET”。メンバー同士で時には果たし合いのように、時にはじゃれ合うかのような表情も交わしつつ奏でられるサウンドが、猛烈にカッコいい。続いて“COLD BEAT”も飛びだし、観客は大喜び。砂浜を踏みしめながら人々が踊るフィールド内は、すっかり危ない興奮に支配されていた。




「♪幕張シティーの貴様に伝えたい~ 俺のキモチを貴様に伝えたい~」。向井が歌い始め、すぐに合流した他のメンバーたちの演奏。そして「今夜のお客様でございます」とステージに呼び込まれたのは、tricotの中嶋イッキュウ (Vo&Gt)。髪を海風になびかせ、マイクを手にして登場した彼女は早速歌い始める。このスペシャルセッションで届けられたのは“Kimochi”。グルーヴィーなバンドサウンドに彩られたイッキュウの歌声が艶めかしい。向井の歌も加わると、構築されたアンサンブルが一層妖艶な色合いを帯びる。曲が終わるやいなや、割れんばかりの拍手が観客の間から沸き起こった。

イッキュウとのセッションが終わり、いよいよライヴは後半戦へ。予測不能でダイナミックな展開を次々遂げた“泥沼”。体を揺らしながら歌う向井が実に気持ちよさそうだった“はあとぶれいく”。そして、ラストを飾ったのは“6本の狂ったハガネの振動”。刻まれるエレキギターのジャキジャキしたサウンドは、まるで劇薬のように我々の理性を奪い去る。SUNSET STAGE1日目を締めくくるにふさわしい、最高のステージだった。(田中大)




この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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ZAZEN BOYS
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