SEASIDE STAGEのラストを飾るのはKEYTALK。日が沈んで、だいぶ肌寒さが増してきた時間だが、4人が登場すると集まったオーディエンスの熱がグッと上がる。そして、軽快な小野武正（Gt./MC/Cho.）のギターとともにスタートしたのは、“FLAVOR FLAVOR”。首藤義勝（Vo./Ba.）と、巨匠こと寺中友将（Vo./Gt.）のツイン・ヴォーカルが爽快に会場を駆け抜けていくと、大きな手拍子やジャンプが起こる。軽妙かつセンチメンタルな歌のメロディの掛け合いを軸にしながら、季節や景色がどんどん巡っていくように展開するサウンドが心地好い。そして、“fiction escape”“トラベリング”とアグレッシヴなダンス・チューンでガンガンとオーディエンスをのせていく。武正がさりげなくカメラ目線をきめたり、巨匠とひとつの台に乗ってギターのユニゾンを聴かせたり、大きくステップを踏みながらプレイしたり、細やかにギターを弾きながらもステージ上をエネルギッシュに動き回って会場の熱を引っ張っていく。




「こんばんは、元気ですか。元気かー！　下北沢からやってきました、KEYTALKです。JAPAN JAM初登場、そしてこのステージのトリを務めさせていただきます。ガンガンいきたいと思います」という武正の言葉から、次に演奏されたのは4月にリリースしたシングル“桜花爛漫”。春の情緒が宿った切ないメロディに巨匠の熱いヴォーカルが映える曲だ。続く“MURASAKI”は、義勝のハイトーン・ヴォーカルが叙情的な歌心を繊細に表現する。なめらかなフュージョン・サウンドに、日本的で切ないツボをつつくメロディがマッチしているのが不思議なところだが、彼らならではのこの独特のセンスが、クセになる理由だろう。

「後半戦、まだ踊れるか！　かかってこいや！」という武正の叫びでスタートしたのは、“パラレル”。真っ赤な照明のなかでさらにテンションを上げてオーディエンスにステップを踏ませ、シンガロングで会場をひとつにしていくと、ここでセッションゲスト、キュウソネコカミのヤマサキ セイヤ（Vo/Gt）が登場。武正に呼び込まれたセイヤは、開口一番、「客多すぎやろ！　お前らぁー」と愚痴っている。が、ちゃんとKEYTALKのTシャツを着ているところが憎めない。そして、セイヤのヴォーカルで“MABOROSHI SUMMER”を披露！　ちょっとキュウソ節の混じった“MABOROSHI SUMMER”で踊りまくって、急ぎ足で帰っていく……その性急さにセイヤの性格まで垣間見えるようなあっという間のコラボだったが、会場はもちろん大きな歓声に包まれた。




ラストは、KEYTALKをネクストステージへと押し上げた爆裂ダンス・ナンバー“MONSTER DANCE”。ビーチを埋め尽くすオーディエンスが一斉に大きく手を振りながら踊り、アンコールでは“太陽系リフレイン”とさらにアッパーなダンス・ナンバーでとどめを刺した。くったくたになるまで踊り、もう笑うしかないような状態になったSEASIDE STAGEを、熱いサウンドで締めくくってくれた。（吉羽さおり）

この３日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号（5/30発売）」にてレポートします。お楽しみに！