「JAPAN JAM BEACH！　調子はどうだ？　思いっきりパーティーしようぜ！」と、Shun（Vo/Ba）が満面の笑みで投げかけた第一声からTOTALFATのパーティータイムが始まった。Jose（Vo/Left-Gt）が《NA NA NA NA～！》と歌い出せば、すかさず《Party!! Party!!》と答えるフィールド。そう、初っ端からTOTALFAT随一のパーティチューン“PARTY PARTY”だ。一切の準備運動もなしにお客さんのテンションは一気にマックス！ 間髪入れずに「どんどんいこーぜ！」とJoseが叫ぶと、直球のパンクチューン“Place to Try”。Shun とJose のツインヴォーカルにリードされて、フィールドからは大合唱が巻き起こる。

「踊りたいやつはもっと前に来て一緒に遊ぼうぜ！」と、さらに追い打ちをかけるように叫び声をあげたShun。続く“Summer Frequence”では地面から突き上げるようなBunta（Dr/Cho）のビートにポジティヴなエネルギーを湛えたメロディが瑞々しく駆け抜ける。ああ、最高だ……なんて聴き入っていたら、サビの直前、Kuboty（Gt/Cho）が決めポーズとばかりにお尻をプリッ。楽しすぎるぞ、TOTALFAT！




「後ろも聞こえてるか？　今日は青い空も、砂浜も、海も、お前たちの持ちものだから。何もかも味方につけて俺たちと一緒に最高の時間を過ごしましょう！」と熱いメッセージを投げかけたShun。「今日にふさわしい新曲を持ってきました。あの水平線の向こうまで俺たちは走っていくんだ。Let's Go！」と言い放つと、いつの間にか上半身裸になっていたBuntaのドラムが南国ムードを醸し出すと、フィールドでは一斉にタオルが回り出す。そしてスローダウンした大サビでは大きく腕が左右に揺れた。ラストでShunがバンドの意志を噛みしめるように歌い切ると、会場は大きな歓声に包まれた。

「今日は全部フェスのせいにして、いつもより良い顔をして帰ってください！」と、最後のMCでShunが語りかけると、ラスト2曲にはとっておきが残っている。和のメロディで紡ぎ出す最強のお祭りソング“夏のトカゲ”だ。《夏の始まり／君と交わり／絡み出す恋心》とJoseが韻を踏んだフレーズを歌い出せば、日本人の血が騒ぐ和太鼓の囃子にのせて、ここぞとばかりにオーディエンスはハメを外して大暴れ。そしてラストは“Room45”。ウォーウォーとオーディエンスが咆哮をあげると、怒涛のステージは幕を閉じた。勢いだけではない、様々な武器を駆使して持ち時間を駆け抜けたTOTALFAT。結成15周年を迎えたライヴハウスの猛者たちには一部の隙もない。（秦理絵）

この３日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号（5/30発売）」にてレポートします。お楽しみに！