最終日SEASIDE STAGEはNothing's Carved In Stoneからいよいよ後半戦へ！　「始まるよ！」と村松 拓（Vocal, Guitar）のシャウトから気合い一閃、4人のソリッド＆アグレッシヴなアンサンブルが驚くほどのスケール感と開放感をもって、幕張の風景と融け合っていく。この瞬間を待ち焦がれたオーディエンスを「幕張ぃ！」「もっと行こうぜ！」と歓喜の果てへ誘う村松の熱唱。緻密な旋律や強靭なコード・プレイなど多彩なギター・サウンドでロックの核心を真っ直ぐ撃ち抜いていく生形 真一（Guitar）。豪快かつしなやかに音像のボトムを支えドライヴさせていく日向 秀和（Bass）。ダイナミックなストロークそのものの躍動感に満ちたビートを叩き出していく大喜多 崇規（Drums）。「踊りませんか！」という村松の呼びかけに応えて“Brotherhood”では爽快なダンスとクラップの輪が広がり、日向の奏でるハイブリッド＆パワフルなベース・ラインから流れ込んだ最新シングル曲“Gravity”が、NCISの美学とタフな表現力そのままに色彩感豊かに鳴り渡って、ビーチをでっかく揺さぶっていった。




子供の頃から幕張の浜によく来ていたという千葉出身・村松。「帰ってきたよ幕張！　最高に楽しみにしてたんで、最後までお付き合いよろしくお願いします！」と万感の想いを語る姿に、熱い拍手喝采が降り注ぐ。「最高に楽しいぞ幕張！　ぶっ飛ばしてくぞ。ついてこいよ！」と終始テンションMAXでステージをリードし、オーディエンスを1曲また1曲と高揚の果てへと導いていく村松。そんな彼の情熱とがっちりギアを合わせて、目映い砂浜を最高のロック・フィールドに染め上げていく生形／日向／大喜多。「こんな形で帰ってこれて嬉しいよ！　でっかい花咲かせようぜ！」というコールとともに響かせたのは“きらめきの花”。《君はいつも未来を見つめ／日に向かう花の様》という晴れやかな歌声に、満場の観客が一面のハンドウェーブで応えていく。「めっちゃ綺麗！　ありがとう幕張！」と呼びかける村松の表情にも充実感が滲む。最後は“Isolation”でフィニッシュ！　生形が放射する幾何学模様の如きギター・フレーズが、エッジィで揺るぎないロック・アンサンブルと相まって、この祝祭空間への何よりの福音として強く、鮮烈に響き渡った。（高橋智樹）

この３日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号（5/30発売）」にてレポートします。お楽しみに！