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SUNSET STAGEの名前どおり、夕方の太陽がビーチを照らす午後4時。歓声のなかステージに登場したのは、真っ白な衣装が眩しい中嶋イッキュウ(Vo&Gt)とヒロミ・ヒロヒロ(Ba&Cho)、JAPAN JAM BEACH 2015のTシャツを着たキダ モティフォ(Gt&Cho)の3人(とサポート・ドラマーの山口美代子)、tricotだ。静かに位置に着くと、息を合わせるように大きく楽器を振り上げ、ノイジーな音で興奮を煽っていく。

「JAPAN JAM BEACH!!」。イッキュウの叫びでスタートしたのは、変拍子のファスト・チューン“E”だ。ポエトリーなフレーズからエモーショナルに爆発するイッキュウの歌声が、穏やかなSUNSET STAGEに旋風を巻き起こし、爆音アンサンブルが生み出すポリリズムがオーディエンスをかき回していく。その勢いのまま“ぱい~ん”へ流れ込むと、ダンサブルなビートにオーディエンスは気持ちよく体を揺らす。しかし一筋縄でいかないのがtricot。くるくるとめまぐるしく展開していくサウンドと、しっとりとした艶っぽさもあるメロディやコーラスで、観るものを翻弄していく。



キダがノイジーにギターをかき鳴らし、ドラマーのカウントで一気に爆音アンサンブルを繰り広げる“pool side”から“POOL”へという中盤。アッパーなダンスビートにフィールドが沸き、各々に体を揺らす。きらきらとした夕日が照明代わりのビーチに響く“POOL”は、とてもドラマティックだ。
「どうですか、JAPAN JAM BEACH楽しんでますか。今日はビーチでライヴっていうことなんですけど、今の曲は“POOL”という曲で、名前はビーチに負けている気がするんですが、ライヴでは勝てたと思います」とイッキュウ。そして「新しめの曲」と、3月にリリースした2ndアルバム『A N D』から“Noradrenaline”を披露した。パンキッシュな曲だが、景色と相まってめまいのするようなデイドリーム感も漂う。海辺で観るtricotも、とてもいい。

「夏の海辺に最高に似合う曲」と紹介された“庭”では、曲中で突如サンバのビートが繰り広げられ、サンバ・ショーに突入! イッキュウとヒロミはマラカスやカウベルで盛り上げる。「いろんなところでセッションが行なわれていますが、tricotのステージはみなさんとサンバ・セッションをお送りします。tricotのサンバ隊長、キダ モティフォさんです、どうぞ!」(イッキュウ)と紹介されると、ステージ袖から、サングラスをかけたキダがホイッスルを吹きながら、陽気に登場。「長澤まさみが今いちばんハマってるの何だと思いますか。サンバですよ! 長澤まさみに近づくチャンスですよ!」と、長澤まさみ出演のCMに言及して、サンバのステップを伝授する。それに導かれたオーディエンスがステップを踏むと、再び楽器を持ち、賑やかなサンバでフィールドをガンガン盛り上げていった。しかしまだまだこのままじゃ終われない。「こっちは本気でやってるんで、本気できてもらっていいですか。かかってこいやー!」とはじまったラストの“99.974℃”。イッキュウが渾身のシャウトでSUNSET STAGEを沸騰させ、幕を下ろした。(吉羽さおり)





この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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