日が高くなり、暑さを増してきたSEASIDE STAGE。3番目に登場するのは、昨年リリースしたアルバム『一つになれないなら、せめて二つだけでいよう』を引っさげてのホールツアー真っ最中のクリープハイプだ。サウンドチェックで“イノチミジカシコイセヨオトメ”をフルコーラスで披露するという嬉しいサービスもあり、スタート前からフィールドに熱狂が充満していく。
再びステージに登場するや否や、一瞬の静寂の後に尾崎世界観(Vo・Gt)が、「泳げないからさ、砂浜に居場所なんてないと思ってたけど……ここにあるじゃねえか」と、“社会の窓”でアッパーなスタートを切る。フラストレーションと《愛してる 今を愛してる》という相反する感情が交錯するスリリングな展開にフィールドも一気にヒートアップ! 長谷川カオナシ(Ba)&小泉 拓(Dr)の盤石のリズムに絡まる小川 幸慈 (Gt)の力強いギターと尾崎のハイトーンヴォイス。バンドアンサンブルも絶好調だ。
「10代後半から20代前半の元ヤンの若者が休日にイオンに行きがちっていう持論があるんですけど。弟から電話があって『今、イオンにいるから行っていい?』と電話がありまして……来ています。そんな弟とみなさんにピッタリの夏の歌をお届けします」という尾崎のMCを挟み、夏には欠かせない一曲“ラブホテル”へ。《夏のせい》というおなじみのフレーズとともに、フィールドが揺れる、揺れる、揺れる! 一曲終わる毎に尾崎が言う、温かさのこもった「ありがとう」という言葉には、オーディエンスへの最大限の敬意がこもっていると思った。
あっという間にライヴも終盤へ。「明後日出る新曲をやります」と、5月5日にリリースされるシングル“愛の点滅”、そして、“百八円の恋”と曲毎に急激に加速度を増していき、最後は“HE IS MINE”! 「みなさん、いけますか?」とニヤリと挑発し、「SEXしよう!」の大合唱が響く様は、いつ見ても圧巻だ。尾崎の「よくできました」というお墨付きをもらい、最後はギターを高く突き上げてフィニッシュ。フィールドを歓喜の渦で満たし、オーディエンスと一緒に楽曲に寄り添った、親密さ溢れるライヴだった。(岡崎咲子)
この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!
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