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潮風にはためく、レキシの家紋入りのぼり旗。ホラ貝の音が響き渡るSEを寸断して「はい! どうもー!」と切り出すのはレキシ a.k.a. 御館様こと池田貴史だ。「盛り上がり過ぎるといいことないよ! イエーイじゃねえよ!」とさっそく自由なノリでオーディエンスに声を掛け、スウィートなイントロが鳴り出すと「日が暮れると空には一面の……? 星じゃなくて……? 先に言わないでよ! そう! “きらきら武士”でございまーす!」と一発目のナンバーに向かう。いや、向かいそうでなかなか向かわない。風に向かって大きく腕を広げ、「誰か後ろから抱きしめて!」と遊んでいる。しかし華やかなバンド・サウンドの中、ひとたび歌い出すと、フィールドには瞬く間にハンドウェーブが広がって歓声が上がってしまうのである。自ら「亜風呂家」印のキーボードを激しく弾き倒し、熱気を持ち込む池ちゃんであった。




「うっしわか!うっしわか! 愛と!平和! それ昨日やった! サンボマスターがやった!」と一人ボケツッコミを絡めて強引に牛若コールを巻き起こし、アップリフティングな“LOVE弁慶”を放つと、「やっぱりJAPAN “JAM”ですから! 一人で年貢を納めるわけにはいかないので……本当はジャムおじさんを呼んだんだけど断られまして……旗本……(どよめくオーディエンス)……やついでございまーす!」とゲストのやついいちろうを呼び込む。ここでやついの《年貢! 年貢!》コーラスがオーディエンスの歌声を誘う“年貢 for you”である。高度でゴージャスな音楽性と、シュールなのに中毒性高いフックでガンガン盛り上がる、ズルいとしか言い様のない時間だ。



「残すところ一曲になりました。大丈夫、この一曲なかなか終わらないから! 一曲じゃないから! あ、あと俺、今日の出演者の中で最年長でした! ありがとう! 時代は巡るね!」と唐突に中島みゆき“時代”を歌い出す池ちゃんに、アドリブで食らいつく元気出せ!遣唐使(Piano&Cho/渡和久 from 風味堂)のピアノが凄い。

そして披露された“狩りから稲作へ”は、「イナホっていう言葉なんて 知らなかったよね♪」(“CAN YOU CELEBRATE?”のメロディ)と挟み込んでみたり、挙げ句の果てには「イナゲナイ イナゲナイ 今宵、僕たちは狩りをやめるだろう♪」(“Dragon Night”の替え歌)という歌に合わせてモッズコート+トランシーバー+赤いウィッグ+巨大フラッグというコスプレをしたやついいちろうが乱入! 「セカオワ好きだし」「おれの方が好きだし」と言い合っている池ちゃんとやついだが、単なる悪ふざけのようでいながら、替え歌用にバンドのアレンジをきっちりと仕上げてくる、本気の遊び心に参った。(小池宏和)




この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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