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快晴の初日、陽射しがもっとも強くなろうとする時間帯のSEASIDE STAGEで、その暑さ/熱さをまんまと我がものにしてしまうのは、結成15周年を迎えているサンボマスターだ。お馴染みゴダイゴのオープニングSEが喝采と視界一面のクラップを巻き起こし、先頭を切って走り込んで来た山口隆(唄とギター)は「ビビってんじゃねえぞーっ!!」と喚き散らしながら、会場までの道程で渋滞に捕まったことを当たり散らしている。「連休中にビーチに集まってさあ、見てください俺、ビーチ感ゼロですよ! こんな何万人も集まってさあ、見てください、ビーチ感ゼロですよ! だから出して行きましょうよ! 今日のハッシュタグは!ビーチ感!! ビーチ感!!」とコールを巻き起こし、爆音パフォーマンスになだれ込んでいった。




近藤洋一(ベースとコーラス)のトロピカルなベース・ラインが走り、木内泰史(ドラムスとコーラス)のビートが全速力で追い込む“世界をかえさせておくれよ”。恐らく今このとき、地球上でもっともやかましいラヴ&ピースの願い“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”。そしてソリッドなこと極まりないリフと共に、サンボマスター流の情熱的なソウルを叩き付ける新曲“可能性”(5/13にリリース迫るニュー・アルバム『サンボマスターとキミ』に収録)といったナンバーを次々に放つ。「あんたがたに愛してるって言ったら、愛してるって返して欲しいんだ! 学歴なんか関係ねえ、ダンスで返して欲しいんだ!」といった煽り文句と、《3秒間だけくれないか/幕張のアナタの悲しみを 消すまでの時間~》と届けられる歌詞によってビーチの狂騒ダンス空間を作り上げてしまった“愛してる愛して欲しい”の光景は実に美しかった。

どんなにビーチが似合わないバンドでも、どんなにビーチが似合わないロック・ファンでも、サンボとオーディエンスががっちりと手を取り合うノイズまみれの濃厚なコミュニケーションは、やはり時と場所を選ばなかった。(小池宏和)



この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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