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まるで夏のように照りつける日差しに海風が心地よいSUNSET STAGE。BLUE ENCOUNTの熱いアクトに続いて登場したのは、SPECIAL OTHERSによるアコースティック・プロジェクト、SPECIAL OTHERS ACOUSTICだ。昨年、「新人」としてデビューした彼らだが、まさにこの日、海辺のステージに立つには持ってこいの4人だろう。

ラフな雰囲気でステージにメンバーが登場すると、まずはSPECIAL OTHERSの代表曲でもあり、S.O.Aのデビューアルバムにも収録された“BEN”を披露。柳下 “DAYO” 武史(Guitar, Bass )の鮮やかなアコースティックギターを中心に、芹澤 “REMI” 優真(Glockenspiel, Melodion)はピアニカとグロッケンを二刀流で演奏。宮原 “TOYIN” 良太(Percussions, Guitar) はギターを弾きながらペダルでカホンを鳴らす。さらに又吉 “SEGUN” 優也(Mandolin, Bass)はトライアングルやクラベス(2本の棒を打ち鳴らす打楽器)でサウンドに彩りを加えるという具合に、普段はお目にかかることも少ない楽器が用いられる。曲の雰囲気もSPECIAL OTHERSのときとは全くの別ものだ。



続く“Mambo No.5”では、又吉がエレキベースに持ち替えてずっしりと重たい低音がサウンドに加わると、フィールドのお客さんはゆったりと身体を揺らしてその音に身を委ねる。アコースティックとはいえ、ダンスミュージックのようなグルーヴが渦巻くこの曲。じっとしてなんかいられない。MCでは「ちょっとハワイにいるみたいだね」と柳下。「いやあ、気持ちいい! どうですか? みなさん、楽しいですか?」と、芹澤は誰よりも気持ちよさげな表情で問いかけてきた。

しばしMCを挟んで、又吉がマンドリンに持ち替えて披露されたのは“LIGHT”。出だしの一音が鳴るとオー!と大きな歓声が湧き起こった。曲ごとにそれぞれの楽器が持つ特徴を十二分に生かしながら構成されたステージは目で見ても面白い。時々、アイコンタクトをとりながら、緻密に音を重ねていくメンバー。3曲を終えると、「ってなわけで、SPECIAL OTHERS ACOUSTIC。こんな感じでお送りしました」(宮原)、「今日はJAPAN JAM BEACH、いっぱい楽しみましょう」(芹澤)と、ラストナンバー“LINE”へ。芹澤がオーシャンドラム(ドラムの中に金属の球が入っていて傾けると波の音が出せる)を頭上に掲げたのを合図に、まさに南国気分を堪能するようなサウンドが会場に沁み渡ると、スクリーンには波打ち際の映像が映し出された。こんな時間が永遠に続けばいい、そんな気持ちにさせてくれる極上のアコースティックサウンドだった。(秦理絵)




この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
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