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SKY STAGEのトップバッターは、BIGMAMA。太陽を受けた白い砂浜がレフ板となって、オーディエンスを照らす。眩しさに目を細めて、のんびりとまどろむようにステージを眺めていた人々も、正面の大きなヴィジョンに「BIGMAMA」の名が出るや一気にテンションを爆発させ、大きな歓声と手拍子で5人を迎え入れた。

「フェスを楽しむ準備はできてますか。それではみなさん、さっそく大きな大きな声を聞かせてください!」と、金井政人(Vo,G)が♪WowWowとシンガロングを誘い、1曲目の“Mr. & Mrs. Balloon”へ。東出真緒(Violin)のバイオリンが海風にのって会場に軽やかに響きわたり、弾むビートがどこまでも遠くにバンドサウンドを運んでいく。5人の紡ぐ歓喜の音色と、エネルギッシュなアンサンブルに、オーディエンスのシンガロングもどんどん大きくなっていく。

「全身を使って、派手にいきましょう」。この金井の声を合図に、“ワンダーラスト”では、ビーチを埋めるオーディエンスの一斉ジャンプで砂が舞い上がる。ギターを置きハンドマイクに持ち替えた金井は、砂煙で真っ白な会場を大きくかきまわすように、腕を振り盛り上げていった。



中盤は、現在のBIGMAMAの底力がわかる、“Lovers in a Suitcase”。最新アルバム『The Vanishing Bride』に収録されたこの曲はミディアム・テンポのナンバーだが、今日のような大きなステージで最高の一体感を生み出すことのできるドラマティックな曲だ。オーディエンスは両手を高く掲げて、ゆったりと体を揺らしながら歌とコーラスとをシンガロングする。徐々にオーディエンスの歌声が大きくなっていく高揚感と多幸感にグッとくる。「最っ高です、ありがとう!」。金井はそういって満面の笑みを見せた。

がっちりとSKY STAGEを掴んだところで、ここからは激しく、攻撃的なBIGMAMAへと突入。“荒狂曲"シンセカイ"”では柿沼広也(G,Vo)のギターとバイオリンがノイジーに絡み合う爆音に負けじとオーディエンスが声をはりあげ、リアド偉武(Dr)のスピーディなビートと競り合うようなハンドクラップがフィールドに響き渡る。安井英人(Ba)のスラップ・ベースが映える“Swan Song”ではジャンプの嵐が巻き起こり、再び会場は砂煙で真っ白になった。

「僕らの音楽には不幸を遠ざける力があると思う。この先もみんなの不幸を、僕らの音楽で遠ざけようと思う」(金井)。力強い宣言でスタートした“until the blouse is buttoned up”では、オーディエンスが高くタオルを掲げた。大らかなメロディにあわせて、カラフルなタオルの波が揺れるシーンはとても美しく、幸せな光景だった。今日は金井の誕生日ということで、オーディエンスの間からハッピーバースデーの歌や歓声が湧き起こったりもした、笑顔がこぼれっぱなしのステージだった。(吉羽さおり)


この3日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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