海に夕日が映り、一層美しさを増してきたSEASIDE STAGEに、笑顔で大きく手をあげながら登場したストレイテナー。ナカヤマシンペイ（DRUMS）がドラムセットに上がってフィールドを煽り、“KILLER TUNE”“Super Magical Illusion”とライヴ序盤からフルスロットルで突き進み、一瞬にして沸点を軽々と超えていく。「JAPAN JAM BEACH、盛り上げていきましょう！」とホリエアツシ（VOCAL&GUITAR&PIANO）がさらに煽り、リリースされたばかりの新曲“The Place Has No Name”“冬の太陽”と、緩急のついたエモーショナルなテナーの世界へとオーディエンスを誘う。ドラマティックな展開にひとりひとりが真摯に応え、アーティストとフィールドがひとつの生き物のように呼応していく。




「ドラム・ナカヤマシンペイ、ベース・ひなっち、ギター・OJ、ヴォーカル・ホリエアツシ。おれたちストレイテナーといいます。よろしくお願いします！」と自己紹介をし、「音楽の嵐を吹かせましょうか！　一緒に歌ってください」と“Melodic Storm”、♪ウォーオーオオオーのシンガロング＆ハンズクラップを巻き起こした“The World Record”をパワフルに炸裂させる。初見の人も多いであろうフェスという会場でも誰ひとりとして置いていかない。音楽とオーディエンスへの信頼と、バンドの自信がひしひしと感じられた。



「the telephones、お疲れさま！」というホリエのかけ声にあわせるかのように、シンペイが金色の深いVネックでthe telephones ・ノブこと岡本 伸明(SYNTHSIZER / COWBELL / SHRIEK)のコスプレを。この展開は……と思っていたら、”VANISH”の中盤でSKY STAGEでのライヴを終えたばかりの本物のノブ（スパンコールの緑の深いVネックを着用）が登場！　くねくねとダンスをしたり、腹筋したり、自由な姿でラストに向けてさらにヒートアップ。《今だったら言える　JAPAN JAM最高だな！》と歌詞を替えて歌った“From Noon Till Dawn”が、世界の希望のように鳴り響いた。最後は4人で肩を組んで深くおじぎをし、ステージを去った。鳴り止まない歓声と拍手が、文句なしの名演であることを物語っていた。（岡崎咲子）

この３日間を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号（5/30発売）」にてレポートします。お楽しみに！