Cocco

息を吸い、歌う。かけがえのないステージ

深いブルーの照明が差し込む今回のステージで歓声を浴びながら一礼すると、押し寄せるようなバンドサウンドの中から“焼け野が原”を歌い出し、触れる者の視覚・聴覚を釘付けにするCocco。藤田顕(Gt)、粂絢哉(Gt)、鹿島達也(Ba)、椎野恭一(Dr)、トオミヨウ(Key)によるサウンドは静謐さから激しさまでの大きな抑揚を描き出し、今度は“Snowing”の詩情を支えていった。そして歪んだギターイントロが鳴り響き、人の業を伝える不朽不滅の名曲“強く儚い者たち”である。

上体を揺らし、腕を高く振り上げ、“樹海の糸”を届けると、今度はその場でくるくると優雅に回転する舞いを見せ、情熱的なラテンテイストの新作曲“フレア”へと向かう。愛を引き裂く運命を思い、歌い続ける現在進行形のCoccoは、勢い良く吹き鳴らすサンバホイッスルの音色そのもののようだ。その熱いパフォーマンスを引き継ぐように放たれるのは“音速パンチ”。刹那の情念を永遠に刻み付けるように、辣腕バンドのロックなアンサンブルが燃え上がる。

今回のステージで歌われた名曲たちを、Coccoが向き合い続けるテーマを、すべて引き受けて届けられるフィナーレは“有終の美”だ。インディーズデビューから20周年を迎えた2016年。Coccoはアルバム『アダンバレエ』をリリースし、素晴らしいツアーを繰り広げた。そして、夏のROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016に続くCOUNTDOWN JAPAN 16/17出演。鳴り止まない拍手の中で、彼女は「ありがとうー、良いお年を」と告げ、充実感に溢れた笑顔を見せるのだった。(小池宏和)

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