androp

天上のメロディと闇のグルーブが紡ぐ、祈り

年が明けて、GALAXY STAGEの最初のアクトはandrop。彼らが2017年最初の曲に選んだのは、ハンドクラップとシンガロングが高鳴る“Voice”だ。「飛びはねろ!」と呼びかける内澤崇仁(Vocal & Guitar)の声に、フロアが揺れ大合唱がまき起こった。重厚なビートを生み出す、伊藤彬彦(Drums)のドラムと前田恭介(Bass)のベースのコンビネーションも強力で、アンサブルはいつにも増してフィジカル。フロアを丸ごと抱きしめて、全肯定するパワーがある。そこから、“Yeah! Yeah! Yeah!”へと、立て続けにシンガロングチューンをお見舞いする。佐藤拓也(Guitar & Keyboard)はクラップを煽り、会場が多幸感で満ちていく。ハッピーな幕開けだ。

「このステージを選んでくれてありがとうございます。2017年も楽しい曲ばかり──だけでなく、悲しい思いやツラい思いも、音楽で伝えていきたいと思ってます。いつか、そんな歌を歌わなくてもいい世の中を願って、2017年も音楽を続けたい」と内澤は語る。前半の高揚感とは一転、“Kaonashi”からの後半は、闇のなかから、手を伸ばすような曲を披露する。内澤は、弦楽器の弓を使ってギターを弾き、不穏な叫びのような音を奏で、壮絶なドラムは傷口からどくどくと重い感情を溢れさせ、アンサンブルにべったりとなすりつけていく。

鬼気迫る演奏に、エンディングを迎えても拍手をできず呆然と立ち尽くす観客。攻撃的で狂おしい感情を、ひたすら生々しく刻んでいく。こんなandropは見たことがないってほど、壮絶だ。
ラストの“Lost”の美しい旋律に癒されたが、2017年一発目からとんでもない、そして最高のものを見てしまった。(吉羽さおり)

「ROCKIN'ON JAPAN3月号」(1/30発売)の付録は、このフェスのすべてを詰め込んだ特別別冊。全アクトのセットリスト、ライブ写真を完全網羅!

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