SHANK

尖りまくった存在感を突きつけた1年


「長崎SHANK!! よろしく」。庵原将平(Vo/Ba)による自己紹介から、“Set the fire”、“Take Me Back”、“Good Night Darling”、そして“TOP WATER”と前半をノンストップで駆け抜けていった、SHANK。キレのある池本雄季(Dr/Cho) のドラムビートに誘われるように、会場には途切れることなく観客が入ってきて、あっという間にパツパツの状態。そのフロアを、松崎兵太(Gt/Cho)が重厚なギターリフや、軽快なスカの刻みで、踊らせ、ジャンプをさせて、沸騰させる。


この2016年もライブを重ね、ステージを大きくしながら、ロックフェスやパンク系フェスでも欠かせない存在となったSHANK。重みある音もさることながら、縦横無尽に地を駆ける機敏さと、ガッチリ確実に観客をつかんでいく獰猛さが、アンサンブルに出ている。フロアの一体感も納得だ。そして、時折のぞかせる庵原の笑みにも、いい自信や、挑戦的な、今が透けて見える。


チューニングするメンバーに、「早く!!」と観客から声が飛ぶ。SHANKのライブではおなじみの愛ある野次に、「いま誰か、帰れって言わなかった?」と庵原が、楽しそうに音の鳴るおもちゃの銃で応戦。そんなやりとりからの後半も、“Time is…”から、“Hope”、“620”と、さらにファストで、強靭さを増したダイナミックなサウンドで、フロアをかき回す。松崎が嫁と喧嘩した話など、MCはユルい雰囲気なんだが、音は硬派。メロディックシーンのなかでも、3ピースで音をストイックに研ぎ続けているバンドである。予定外で披露したリリース予定のアルバムからの新曲“Honesty”にも、SHANKが確かな足取りでスケールアップをしていく鼓動と、気骨ある音が込められていた。次を期待せずにはいられない強力なステージだった。(吉羽さおり)

「ROCKIN'ON JAPAN3月号」(1/30発売)の付録は、このフェスのすべてを詰め込んだ特別別冊。全アクトのセットリスト、ライブ写真を完全網羅!

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