SUPER BEAVER

互いが思いを示すことから、すべてが始まる

10周年イヤーの完全走破で始まったSUPER BEAVERの2016年。年の瀬の幕張・COSMO STAGEで、登場SEもなく渋谷龍太(Vocal.)、柳沢亮太(Guitar.)、上杉研太(Bass.)、藤原”28才”広明(Drums.)は位置につく。渋谷が感謝を込めた口上を放つや否や、鋭角に切り上がる4ピースサウンドの“東京流星群”でフロアに集まったオーディエンスのシンガロングを巻き起こしてしまった。
続く“証明”の、愛をもって挑みかかるような音と言葉でライブ空間に血の通った意味を与え、渋谷の口からとめどなく溢れ出す思いと共に放たれるのは、2016年の3ヶ月連続シングルリリースを締め括ったアンセム“青い春”である。

「こんな日があるなんて、1年頑張った甲斐があるよな!」と、改めて挨拶を切り出す渋谷。3回目のCOUNTDOWN JAPAN出演を引き合いに、世の中のあらゆる事柄について「当たり前のことってないんじゃないかな」と語る。「相手に思いを示すことが大切」と、当たり前のように眼前のオーディエンスにもそれを求め、“ありがとう”という平易な言葉を渾身の爆音と共に歌い出す刹那、彼は照れも誤魔化しもない最高の笑顔を浮かべていた。

持ち時間に思いの丈を詰め込んでみせる熱い言葉と共に披露された最終ナンバーは“秘密”だ。執拗に「声、聞かせてください!」と呼びかけながら、「バンド対オーディエンス」ではない、無数の「1対1」を生み出すステージは幕を閉じた。(小池宏和)

「ROCKIN'ON JAPAN3月号」(1/30発売)の付録は、このフェスのすべてを詰め込んだ特別別冊。全アクトのセットリスト、ライブ写真を完全網羅!

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