LACCO TOWER

過激に激情を燃やす、遅れてきたルーキー

「お初にお目にかかります、LACCO TOWERです。どうぞよろしく!」。松川ケイスケ(Vocal)のジェントルな挨拶を合図に、1曲目“林檎”から、世にも艶やかで過激な、激情型ロックサウンドがMOON STAGEを震撼させた。細川大介(Guitar)が床に膝をつき、高くギターを掲げて魅せるギターソロ、真一ジェット(Keyboards)がイスの上に立ち、繰り出す華麗なピアノのリフ、ステージ際まで歩み出る塩崎啓示(Bass)と重田雅俊(Drum)が織りなす強靭なグルーヴ。その演奏に全幅の信頼を置く松川は、全身を大きく使いながら前だけを向き、目一杯に感情をぶちまけていく。

地元・群馬で自主企画イベントを開催するなど、すでに長いキャリアを持つLACCO TOWERがメジャーデビューを果たしたのは2015年。「遅れてきたルーキー」として近年活動のフィールドを広げる彼らは、今回がCOUNTDOWN JAPAN初参戦となる。「ここに来るまで15年かかりました。意外と長いだろ? 決して順風満帆ではなかった。シュッとやるだけがロックバンドじゃない。掴めなくて、ずーっとやって、徐々に掴んだ。これこそがロックバンドだと思うんです!」と、松川が言い放ち、“未来前夜”へ。葛藤も不安もすべて肯定しながら不屈の前進を歌うナンバーは、実際にそうやって歩み続けてきた彼らが歌うからこそ説得力がある。

ラストの“薄紅”では、最後の一音まで名残惜しそうに音を振り絞った5人。自身を“遅れてきたルーキー”と呼ぶものの、そのパフォーマンスは、バンドを15年間積み上げてきたプライドが鳴らす貫禄の存在感だった。(秦理絵)

「ROCKIN'ON JAPAN3月号」(1/30発売)の付録は、このフェスのすべてを詰め込んだ特別別冊。全アクトのセットリスト、ライブ写真を完全網羅!

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