グッドモーニングアメリカ

今日を乗り越えるための歓喜の歌たち

裸にスーツ姿のたなしん(Ba / Cho)! 今年はトランプ次期アメリカ大統領のコスプレらしい。服を着てる!と思うのも一瞬、1曲目の“空ばかり見ていた”が始まる頃には、それを脱ぎ捨てて、星条旗のパンツ一丁で定位置につく。ウォーウォーと巻き起こるシンガロングのなか、「まだまだいくよー!」と、金廣真悟(Vo / Gt)が叫び、“拝啓、ツラツストラ”。今日のグドモはすごい。いつも以上に気迫がビンビン伝わってくる。

最新アルバム『鉛空のスターゲイザー』に収録のパンクチューン“マイライフ”では、ペギ(Dr / Cho)が叩き出す怒涛のビート、渡邊幸一(Gt / Cho)による痛快なギターで攻めのモードへ。さらに同アルバムから最高にキャッチーな“鉛空のスターゲイザー”。バンドの原点と進化の両軸を違和感なく収めたバンドの今をライブでも体現するステージだ。MCではたなしんが、楽屋で衣裳姿を見た妹に、「お兄ちゃん、本当に恥ずかしいからやめて」と言われたけど、「俺は誰に何て言われようが、みんなが楽しんでくれたらOKです!」と返したと語った。その心意気にフロアから大きな喝采が起こった。

「2016年、いろいろなことがあったと思いますけど、もやもやした気持ちをこのフェスで全部ぶちまけて、素晴らしい年末年始を送ってもらえたら、俺らはハッピーです」。金廣の言葉から、“境界を越えて”。思いどおりにならない日常のなかで、「それでも」を積み重ねていくためのグドモの音楽は決して一方通行でなく、お客さんと一緒に作り上げてこそ完成する。最後に特大のシンガロングを巻き起こしたラストソング“未来へのスパイラル”を終えた時、メンバーの快心の笑顔がライブの充実度を物語っていた。(秦理絵)

「ROCKIN'ON JAPAN3月号」(1/30発売)の付録は、このフェスのすべてを詰め込んだ特別別冊。全アクトのセットリスト、ライブ写真を完全網羅!

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