ねごと

どこへでもいける、エクスペリメンタルポップ

大きな歓声に迎えられた、ねごと。「楽しんでいきましょう」と蒼山幸子(Vo&Key)の柔らかな声で始まったセッションから、ねごとワールド全開でCOSMO STAGEを飲み込んでいく。スペイシーなキーボード、メロディアスにアンサンブルを引っ張る藤咲佑(Ba)のベース、曲が進むごとにダイナミズムを増していく澤村小夜子(Dr)のドラム、フレージングでドラマを生んでいく沙田瑞紀(G)のギター。ゆらゆらと体を揺らすうちに、一気に上昇して別世界へとワープさせるような導入だ。そこから“DESTINY”へ突入して、弾けるポップさで軽々とフロアをジャンプさせる。藤咲のパワフルなイントロのベースラインで、湧き上がるような歓喜の声を会場いっぱいに広げた“ループ”の一体感も、圧巻だ。

「みんな疲れてない、大丈夫? 行けるのか! 久々の31日の出演で、もう残りあと2時間くらい? 悔いなく2016年を終えたいわけですよ。まだまだ行けますか」と、蒼山が声を上げる。そして鳴り響いたのは“アシンメトリ”の力強い四つ打ちビート。澤村が人力で生み出す極太なダンスビートがフロアを揺さぶり、蒼山のメロディとハーモニーをなす沙田、藤咲のコーラスがマジカルで、ねごとのポップ世界へさらに深く、深く連れていく。

また“endless”では、めまいのするような甘美な夢を見せてくれた。時間を圧縮したような濃密さで、トリップし続ける感覚だ。ねごとの、想像力と創造力の賜物だろう。2016年最後の曲に選んだ“カロン”の晴れやかな突破感で現実へ引き戻し、未来へと向かっている「今、この時」を力強く後押ししてくれたのも、感動的だった。(吉羽さおり)

「ROCKIN'ON JAPAN3月号」(1/30発売)の付録は、このフェスのすべてを詰め込んだ特別別冊。全アクトのセットリスト、ライブ写真を完全網羅!

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