クリープハイプ

進化と挑戦の1年を経たバンドの現在地

「こんな景色を前に、何を話していいかわからないので、10秒時間をください」と言った尾崎世界観(Vo/Gt.)が投げキッスをして、小声で「がんばります」と言うと、“イノチミジカシコイセヨオトメ”からライブはスタートした。歪んだギターと共にゆっくりと歌い出した“百八円の恋”では、赤く明滅するライティングのなかで、《痛い痛い痛い痛い》と繰り返すギリギリの歌。日常のやるせなさと憤りを生々しく込めた楽曲の威力は、バンドが年数を重ねるごとに衰えるどころか肥大していく一方だ。
素晴らしかったのは最新アルバム『世界観』収録の“5%”だった。「フェスで知ってる曲で盛り上がることもいいと思うけど、どうせだったら知らなかった曲を知ってほしい」と、長谷川カオナシ(Ba.)がキーボードを弾くアレンジで披露した。今のクリープハイプはとても自由だ。昨年と同じようにEARTH STAGEに立ってはいるが、しかし、昨年と同じではあり得ない。進化と挑戦の果てにまたこの場所でクリープハイプを聴けたことを嬉しく思う。

終盤にかけて、ライブに欠かせない鉄板アンセムでフロアのシンガロングを誘いながら到達したラストナンバーは、やはりこの曲“HE IS MINE”! 「今日、父・まさるが来てます。お父さんの前で、こんなことを叫ばせていいんだろうか?」と逡巡しながらも、「(父の)フェス童貞を奪うという意味ではぴったりなんじゃないでしょうか。みなさん、まさるを男にしてあげてください」と言って、数万人が一斉に叫ぶ「セックスしよう!」。いまや、この絶景は幕張の風物詩だ。(秦理絵)

「ROCKIN'ON JAPAN3月号」(1/30発売)の付録は、このフェスのすべてを詰め込んだ特別別冊。全アクトのセットリスト、ライブ写真を完全網羅!

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