ヒトリエ

超速&爆音で鳴らされる「革命」の鐘

フルアルバム2枚のリリースと共に濃密な1年を過ごしたヒトリエ、COSMO STAGEに見参。wowaka(Vocal & Guitar)が一言挨拶すると、明滅する照明と共に、最新アルバム『IKI』の1曲目=“KOTONOHA”へと突入した。凄まじいスピードで各々が超絶技巧を繰り広げているにもかかわらずアンサンブルは決して破綻せず、本人たちは落ち着き払っている。この感じ自体がもはやヒトリエのスタンダードになりつつあるが、その凄まじさが年々増していくから恐ろしい。

イガラシ(Bass)の超速スラップが炸裂する“踊るマネキン、唄う阿呆”などの曲の連投が導くのは、目も眩むような急展開とアドレナリンの大放出。そんななか、「僕らの2016年をギュッと伝えられるような1曲を持ってきました」(wowaka)と届けられた“リトルクライベイビー”、音を塊のまま吐き出すようなゆーまお(Drums)のビートとwowakaの絶唱を筆頭に、バンドが絶頂へと上り詰めていく様子は圧巻の一言。

現メンバーが揃ってから今年で4年。ナンバーガールやHi-STANDARDなどの名作になぞらえながら、自分たちが『IKI』を4年目でリリースできた喜びを語ったシノダ(Guitar & Chorus)は、「来年以降、革命を起こす我々ヒトリエをどうぞよろしくお願いします」と宣誓。緻密な曲構成を大いに飛び出していくような“センスレス・ワンダー”の爆発力のあと、フロアは瞬く間に拍手喝采で満たされた。「とんでもないものを観てしまった」と、興奮を隠しきれていないのは私だけではなさそう。ぐうの音も出ないほどの熱演に、「革命」はすぐそこだと悟らされた。(蜂須賀ちなみ)

「ROCKIN'ON JAPAN3月号」(1/30発売)の付録は、このフェスのすべてを詰め込んだ特別別冊。全アクトのセットリスト、ライブ写真を完全網羅!

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