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GALAXY STAGE14:10

心震える予測不能のロックンロール

昨年、初めてGALAXY STAGEに立った稲村太佑(Vocal&Guitar)は「アルカラがGALAXYやって! 事件やなー」と喜びの声をあげたが、去年に続きアルカラは2年連続のGALAXY STAGE。サウンドチェックの時間から、ひと足早く集まったお客さんに向けて“アブノーマルが足りない”をプレイしてみせるサービス精神もあいかわらずだ。いざステージがはじまると、開始早々一瞬で終わる短いインスト曲“Aカップ巨乳”から“半径30cm の中を知らない”へと、奇想天外なロックンロールが瞬く間にフロアを熱狂の渦へと叩き込んでいく。「今年もやって来たぜー!」と、この場所で演奏することを心底楽しむように弾む稲村の声を合図に、最新アルバム『ちぎれろ』から“やるかやるかやるかだ”、さらに、悲哀に満ちたおばあちゃんソング“トロピカルおばあちゃん~ばーばばばぁ~”へと、スピーディで、どこか怪しげなアルカラのロックサウンドを続々と繰り広げていく。決して先を読ませない攻撃的でトリッキーなサウンドの展開と、どこまでも遊び心が満載の歌詞、それらが一体となって押し寄せてくるアルカラのロックワールドは何度見てもスリリングだ。“嘘つきライアー”では、「田原和憲ー!」と稲村がフルネームで絶叫すれば、田原も長い髪の毛を振りまわして全力のギターソロで応えていた。

「ついに、みんなが待ちに待ったこの日が来たねー」と始まった稲村のMCでは、行き当たりばったりに喋っているようで、実はしっかりとオチをつけたトークで会場の笑いを誘うと、いよいよライヴは終盤へ。“キャッチーを科学する”では、途中でバンドの演奏がどんどん小さくなり、小声でサビを歌ったりと、もう楽しぎる。そして、「また来年、お互いにちょっとずつ強く、かっこよくなって、この場所で会いましょう。最後に、この曲を胸に響かせて帰ってください」と稲村が語りかけ、未来へと想いを馳せるエモーショナルなナンバー“ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト”をダイナミックに聴かせてライヴは終了!……かと思いきや、「いまので最後やってんけど、もう1曲だけやらせて!結成当時の曲を。こんなデカいステージでやれることもなかなかないので……」と披露したのが、3rdミニアルバム『20秒前』から“相対”の短縮バージョンだ。それもギターのリフのみで終わるという短縮すぎるオチ。まさに去年よりもひと回り逞しくなって同じステージに帰ってきたアルカラに一分の隙もなし。最後まで振り回されっぱなしのロックンロールショーだった。(秦理絵)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

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アルカラ

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