
艶やかなSEが鳴ると、MOON STAGEに集まったオーディエンスからあたたかい拍手が贈られる。それに導かれるようにヘッドフォンをつけ、パーカー、ミニスカート、ニーハイソックスという出で立ちで登場したDAOKOは、どこか緊張した面持ちだ。1曲目は“高い壁には幾千のドア”。重低音の効いたエレクトロサウンドにあわせ、青いライトに照らされながらささやくようにラップを吐き出す彼女は、まるで触れるのをためらう人形のような荘厳さを醸し出している。続く“かけてあげる”では一転、《魔法にかけてあげる》という歌詞のように、まるで生命の息吹をかけられたかのように表情も柔らかくなり、身振り手振りを交えてのパフォーマンスを見せる。静と動のコントラストが、彼女の歌の持つ不思議な生命力を引き立たせていく。


最後2曲は、DAOKOの歌の力をより際立たせたエレクトロサウンドのダンスビートの“さみしいかみさま”、「最後の曲、みんなで踊って盛り上がっていきましょう!」とラストの90年代を彷彿とさせるキャッチーなメロディの“ShibuyaK”と10月にリリースされた最新両A面シングルの楽曲を披露。「ありがとう!」と軽やかにステージを去ったのだった。(岡崎咲子)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!
RO69アーティストページへ
DAOKO