
真っ赤なライティングで染まるステージにメンバーが登場。川崎亘一(Gt)のギターが第一音を鳴らした瞬間、フロアからは大きな歓声があがった。1曲目は“Eric.W”だ。ウキウキと気分を弾ませる陽性のサウンドにのせて、荒井の爽やかな歌声がCOSMO STAGEに沁み渡っていった。“higher”では、曲にさまざまな変化をつけながら、次第に開放感が広がっていく。木暮栄一(Dr)が繰り出すタイトなビート、まるで顔でベースを弾くように豊かな表情でボトムを支える原昌和(Ba)、全身を大きく動かしながら、細やかなギタープレイで魅せる川崎。そのサウンドは複雑に絡み合いながらも、聴き手には微塵も難解さを感じさせないスタイリッシュな雰囲気で、ぐいぐい心に揺さぶりをかけてくる。

その後、ライヴ会場とオフィシャルサイトのみで発売しているシングル『TENNIS CLUB e.p.』から“まぼろし街道”、今年リリースしたアルバム『謎のオープンワールド』から“ピルグリム”と、今年リリースされた新曲を次々に披露。フロアからは、ウォーでもキャーでもなく、フゥ~!という歓声があがるのもまた、彼らが作り出す、ジャジーな空気感ゆえだろう。「どうもありがとう! 次で最後の曲になります」(荒井)と、ラストはとびっきり躍動感のあるサウンドで盛り上がった“夜の向こうへ”。手拍子をしたり、手を高く伸ばしたり、ゆるやかに腰を揺らしたりと、お客さんが自由に音楽を楽しんでるフロアの光景はとても素敵だった。
やっぱりthe band apartなくしては、COUNTDOWN JAPANは終われない。(秦理絵)


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the band apart