レポート一覧

ASTRO ARENA19:25

充実の1年を凝縮したような、美しきダンス空間

さあ、初日ASTRO ARENAのアンカーを担うのは、最強のダンス空間請負人チーム=CAPSULEだ。中田ヤスタカが繰り出すエレクトロサウンドにひときわ大きな歓声が上がり、こしじまとしこが歌いだすオープニングナンバーは、今年リリースしたアルバムの導入部“Wave Runner”から“Another World”という流れ。華やかなのだけれど、『CAPS LOCK』から続くちょっとウェットな情緒というか、ダンサーを胸の中から駆り立てるディスコ感覚というか、その辺りの匙加減が絶妙である。「今日は楽しんでいってね~!」とこしじまが告げてからは“more more more”、そして鋭角なシンセリフが飛び交う“FLASH BACK”で最初の沸点を記録してみせる。

こしじまがCO2を噴出するノズルを振り回しながら歌う“Hero”も実にエモーショナル。こしじまは決して我を強く押し出してくるタイプのシンガーではないけれど、フロアにメロディの情緒を沁み渡らせる巫女のような存在感を振りまいている。享楽性を解放する“Dancing Planet”を経て“Eternity”を歌い上げると、“Feel Again”へ。これも新作からの楽曲で、これだけ新作の自信を伺わせるライヴになっているところが嬉しい。歌心がダンスを助長するタイプの楽曲である。「今年は『WAVE RUNNER』というアルバムをリリースできて、ツアーも回れて、最高に楽しい1年でしたー!」と告げるこしじまは、オーディエンスに感謝の言葉を伝え、“In The Rain”に向かっていった。

“World of Fantasy”からファットなビートの“Dreamin'Boy”と扇動的なシンセリフが立て続けに繰り出され、ここで“JUMPER”はズルい。ばんばか跳ねるフロアである。そして“グライダー”で辿り着く《結局僕らは/生きてるみたいだ》という一行の美しさ。最後は“Starry sky”で完璧な必勝パターンだったけれど、やっぱりCAPSULEのダンス空間は特別であった。来年も再来年も、特別であり続けて欲しいと願う。(小池宏和)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

RO69アーティストページへ

CAPSULE

このレポートをシェアする

Amazonギフト券1,000円分プレゼント!
RO69公式Twitter クイックレポート更新情報もツイート中!