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GALAXY STAGE16:10

円熟のロックンロール・ブルース

大晦日のGALAXY STAGE、2番手に登場したのは、今年結成10周年を迎えたThe Birthday。COUNTDOWN JAPAN 09/10以来、2度目の出演だ。

SEが鳴り渡るなか、真っ赤に照らされたステージにメンバーが登場。一発ジャーンと楽器を鳴らしたあと、“FULLBODYのBLOOD”へと突入した。脈打つ鼓動のようなクハラカズユキ(Drums)のビート。腰にくるグルーヴを生み出すヒライハルキ(Bass)のフレーズ。ときには渋く、ときには獣の咆哮のように鳴るフジイケンジ(Guitar)のメロディ。そして、サングラス姿のチバユウスケ(Vocal & Guitar)による唯一無二のヴォーカル。泥臭く転がりながらも絶妙な黄金比で成り立つ、というこのバンドならではのアンサンブルを瞬く間に形成していく。曲がクライマックスに近づくにつれ、そのサウンドはどんどん硬質になっていく。この鋭い切れ味で《目をそらさずにいろ/瞬きすらするな》(“MOTHER”)と歌われたら、ステージに釘付けになってしまうのがこの場に集まったロックキッズたちの性(さが)であろう。“MOTHER”のサビでオーディエンスも「♪オーオオー」と雄々しく大合唱。フロアを見渡しながら「Oh Yeah!」「Beautiful!」と叫ぶチバである。

一切の装飾を削ぎ落として、泥まみれになりながら鳴らされる「愛」よりも美しく気高いものなどこの世にあるだろうか。スポットライトがまっすぐステージに刺さるなか、チバによる歌い出しに歓声が沸き起こったのは“くそったれの世界”だ。そして「どうもはじめまして……はじめましてじゃないか」(クハラ)「(飲食エリアのほうに視線をやりながら)向こう騒がしいな」(チバ)とMCはふた言のみで終了。フジイのソロも炸裂し、チバがブルースハープを吹いた“LOVE SHOT”で聴き手の心をこれでもかとかき乱していく。言葉よりも演奏で語っていくさまが最高にクールだ。

そしてラストを飾ったのは珠玉の名曲“涙がこぼれそう”。冒頭のフレーズでそれを察したオーディエンスは喜びの声を上げる。「今日は幕張、COUNTDOWN JAPAN!」(チバ)という叫びに、フロアからはいくつもの腕が力強く掲げられたのだった。(蜂須賀ちなみ)

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The Birthday

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