1日目のCOUNTDOWN JAPAN 15/16も中盤に差し掛かってきた頃、ASTRO ARENA の熱い歓声を浴びたのは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの伊地知潔(Dr)、Dr.DOWNERではギター・ヴォーカルを務める猪股ヨウスケ(B)、宮下広輔(Pedal Steel)、飯塚純(Key)による4人組インストバンド、PHONO TONESだ。「どうも! PHONO TONES です。COUNTDOWN JAPAN、初出場です。楽しみましょう!」という伊地知の挨拶から、まったりとした雰囲気でステージは幕を開けた。1曲目は“Saturday 少林 Fever”。飯塚が弾くキーボードと、宮下が奏でるペダルスティールの牧歌的な音色が、繊細に絡まりながらフロアの昂揚感を高めていく。メンバー同士がステージ上でアイコンタクトをとりながら、互いの音を感じ合い演奏している様子も気持ちいい。
そのまま2曲目の“better days ahead”へと雪崩込み、躍動感あふれるサウンドへと変化していくと、フロアには、PHONO TONESの奏でる音楽にあわせて自由に身体を揺り動かす素敵な空間ができあがる。さらに大人なムードが漂う“tobira”ではソロ回しを交えながら10分におよぶノンストップのプレイ。
「PHONO TONES と言います。今年3rdアルバムを出しまして、何気に4~5年やってるバンドになってしまいました(笑)。10年ぐらい続けたいと思ってます」と、バンドのマイペースな活動を報告した伊地知。「僕たち、この時間だと4曲しかできないです」と、次が最後の曲であることを告げると、会場からは「えー!」と別れを惜しむ声が上がった。ラストナンバーは“four”。伊地知が軽快に繰り出すドラムの変拍子と、そのうえで目まぐるしく主役を入れ替えながら、印象的なメロディ奏でる飯塚のキーボードと宮下のスティールギター、そして猪股の重低音。その一音一音を肌で感じながら音に身を委ねる時間は、まさに至福のひとときだった。(秦理絵)
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