レポート一覧

MOON STAGE21:45

無二の歌声でガツンと聴かせる、ROCK&ROLL

メジャー・デビューから1年あまり、今年7月に満を持しての1stフルアルバム『SUNRISE JOURNEY』をリリースした、松尾レミ(Vocal/Guitar)と亀本寛貴(Guitar)によるGLIM SPANKY。歓声に迎えられた2015年最後のステージ、その1曲目にふたりが選んだのは“褒めろよ”。パワフルなドラムのビートに、松尾のパンチのききまくったかすれ声がのる痛快なロックンロールだ。ブルっとエンジンをかけるようなパワーがあるヴォーカルと、熱気を煽っていく亀本のギターで、《褒めろよ いつか世界が掌返すのを見たいなら》とぶちかましていく。我が道を、とことん胸を張って突き進んでいくGLIM SPANKYの心意気が1曲に、フロアが沸く。

青春時代の甘美な輝きを封じ込めた歌がメロウな“リアル鬼ごっこ”に続いては、CM曲としてもOAされていたジャニス・ジョプリンのカヴァー“MOVE OVER”へ。タイトなビートに亀本のブルージィなギターが絡み、松尾がそのパワフルなヴォーカルを放つ。まだ20代前半の彼女だが、燃え盛るエモーションとともに、どこか貫禄のある色っぽさをもその声に宿しているのが末恐ろしい。一方で、“NEXT ONE”ではスケール感たっぷりの王道ロックをカラッと晴れやかに歌い上げて、コブシを振るい思わずシンガロングしてしまうアンセムへと仕立てていく。

「改めましてこんばんは、GLIM SPANKYです。楽しいね、大みそかにライヴっていいよね。ふつうはこたつに入ってみかん食べてテレビを見るじゃん――っていうのもいいんだけど(笑)。大みそかにこうして歌うことができて、みんなとロックを感じることができてすごくうれしいです」という松尾の言葉から、続いて演奏されたのは彼らがデビュー前からプレイしている曲“大人になったら”。いつか失いゆくものへのロマンとセンチメンタルとを、ここまでシンプルで詩情感あふれる歌へと紡いだ感性に恐れ入る。

早くも次の曲でラスト。GLIM SPANKYが最後の曲に選んだのは、2016年第一弾としてリリースされるミニ・アルバム『ワイルド・サイドを行け』の表題曲“ワイルド・サイドを行け”。「決められた道を行くんじゃなく、ワイルド・サイドへ――道なき道を行こうという、ウザいくらいに応援している曲です」(松尾)と、ドカスカと最高にやかましいロックンロールをかき鳴らす。自らの向かう道を信じて、祝福する、ふたりの胸の高鳴りを凝縮した1曲に、MOON STAGEは熱い拍手と歓声がこだました。(吉羽さおり)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

RO69アーティストページへ

GLIM SPANKY

このレポートをシェアする

Amazonギフト券1,000円分プレゼント!
RO69公式Twitter クイックレポート更新情報もツイート中!