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COSMO STAGE17:00

10年目に鳴り響く“等身大のラブソング”

集まった観客から大きな歓声で迎えられたAqua Timezの5人。1曲目は《大丈夫だよ》のフレーズでお馴染みのナンバー、“虹”。冒頭から太志(Vocal)が丁寧に声を届けると、COSMO STAGEのフロアから、みんなの歌が聴こえてきた。そこからは多くの人が彼らをここで待ちわびていた気持ちが一気にはじけるようなジャンプと手拍子が会場中から沸き起こり、メンバーも嬉しそうにそれぞれ笑顔を見せる。ここにいる誰一人も置いて行かないという覚悟と愛情で、温かな希望みたいな歌が降り注ぐ。

「こんばんは、Aqua Timezです!」という太志の挨拶と共に、ゆったりとしたビートが聴こえてきた。彼らが多くの人に知られることになったきっかけの歌、“等身大のラブソング”だ。その音色に乗せて歌うように「昔、俺たちはこの曲で一発屋になりました」と太志が語り始める。その歌詞の内容に触れながら「若気の至りってやつです。でも俺はおじいちゃんになってもこんな青臭い歌を歌い続けるのがバンドだと思います」と。最高じゃないか。2005年にリリースされた1stミニアルバム『空いっぱいに奏でる祈り』に収録されたこの曲で多くの共感を得た彼ら。そこからの道のりの中で色んな葛藤もあっただろうけど、10年目の今だからこそ伝えられる想いをこのステージに感じた。

語弊を怖れずに言うとAqua Timezとは、太志のバンドだ。それはひとえに彼のワンマンバンドという意味ではなく、太志の作る歌に心を打たれた大介(Gt)、OKP-STAR(Ba)、mayuko(Key)、TASSHI(Dr)の4人がいつも同じ方向を見て音を奏でてきたからこその強みがある。“決意の朝に”では鋭いメッセージに優しくバンドサウンドが寄り添う温かな時間が流れた。そして太志は言う、「どっかで誰かに『まだバンドやってるのか?』って聞かれたら、死ぬまでやってやるって答えてやる。そんな気持ちでやってきたから、今日ここで、幕張で、みんなに会うことができました、本当に嬉しかったです!」と。

ラストは激しいサウンドと共に《あなたを 幸せにしたい》と真正面から約束をするような“生きて”を披露。あなたがいて、あなたに伝えたくて、音楽をやっているんだ、という軸をぶらさずに戦ってきたバンドだからこその説得力のある歌が、どんどんCOSMO STAGEに満ちて、大きな熱気を生んでいた。(上野三樹)

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Aqua Timez

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