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COSMO STAGE19:15

命を燃やして希望を叫ぶ、 超ハイブリッド・ダンスロック!

蒸気機関車が発車するような汽笛の音を合図にSEが流れ出すと、狂気的なダンスロックが聴き手の感情を激しく掻き立てる3人組、The FlickersがCOSMO STAGEに登場した。ステージに立つのは、安島裕輔(Vo,Gt,Syn)、堀内祥太郎(Ba)、本吉'Nico'弘樹(Dr)に加えて、サポートのギター&シンセサイザーを含む5人だ。壮大でスペイシーな景色を描き出した“midnight express”を皮切りに、ニューウェイヴ~エレクトロポップ、ガレージロックなどを融合したThe Flickersのハイブリッドなダンスロックが唸りをあげた。

ズンズンと刻むダンスビートに、安島の骨太のギターリフが転がる“nova”に続けて、圧巻だったのは、激しく明滅する照明による鮮やかな光と闇のコントラストの中で、狂わしいほどの恍惚感を生んだ“techno kids”だ。スリリングで危険なアンダーグラウンドの香りと、フロアをがっつり踊らせるキャッチーさ。さらにナイーヴそうに見えて、内に秘めた想いを熱い咆哮で表現する安島のヴォーカルスタイル。それらが混沌と渦巻くThe Flickersのステージは、CDで聴いただけでは予想だにできないほど破壊力がある。

MCでは、「1年間の終わりをCOUNTDOWN JAPANのステージで終えることができるのは、バンドマンとして幸せに思います」と、堀内が言うと、続く安島の言葉が熱かった。「良い1年だった人も、悪い1年だった人もいると思います。苦しいこともあると思う。そういうときこそロックを鳴らすんだと、俺は思います。そういう想いで、今日ここに音を鳴らしに来ました」。それこそがThe Flickersがロックを選び取った理由そのものだが、その想いはラスト3曲で言葉以上の説得力をもって伝わってきた。

すべての負の感情を覆い隠すように高らかに鳴る演奏の中で、《存在に 情熱に/衝動に 今日もまた/全身全霊 焦がれている》と声を絞り出すように歌い上げた“supersonic”も、《今日だってここに立って/生きているからさ》と絶唱した“love in the music”も、それがロックンロールの使命だとでもいうように命を削って紡ぎ出した、その「希望の歌」には、はかり知れない生命力が宿っていた。 すべての演奏を終えたあと、安島の顔からは止めどなく汗が流れ落ちていた。それもまた、The Flickersのライヴの凄まじさを物語っていた。(秦理絵)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

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The Flickers

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