
そして、思考を猛スピードで歌詞に紡ぎあげるロックチューン“嘘憑きとサルヴァドール”は、COUNTDOWN JAPAN 12/13出演時にも披露された必殺ナンバーだ。この上ないキュートさとユーモアと狂気の間で揺れ動く小南泰葉のロックに、深夜のオーディエンスも激しく波打つ。12/2にリリースされたばかりの2作目となるフルアルバムからは、“蜘蛛の糸”のソリッドなサウンドとコミカルな詩情で追い込みをかけていった。


そう告げながら彼女はギターを爪弾き、「最後に、僕を救ってくれた歌を歌います。僕の歌が、誰かを救う音楽になっていますように」と、ニューアルバムのリード曲“傷”に向かっていった。渾身の力でストーリーを紡ぎ、「(フロアを指差しながら)本当に、本当に、ありがとうございました!」と笑顔で告げる。爆音でしか、叫びでしか描けない音楽と思いがこの世にはある。2016年の初めに鮮烈な感動を残して、彼女は去っていった。(小池宏和)

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小南泰葉