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MOON STAGE14:30

出産後初ライヴ。歌う喜びに満ちたステージ

今年10月に出産したため、ライヴ活動をお休みしていた大森靖子。出産直前の9月までステージに立っていたので、お休み期間は3ヶ月ほどなのだが、こんなにも長い間、ライヴをやらなかったのは、おそらく初めてのことだろう。そして、ファンにとっても彼女の歌を生でしばらく聞けなかったのは、寂しかったはず。ついにこの日がやって来た!

SPEEDの“Body & Soul”のカヴァーをノリノリで披露するというサウンドリハの熱気のまま本番へ。バンドメンバーたちは一旦引き揚げ、ステージにそのまま残った大森靖子は愛用のアコースティックギター、ギブソン・ハミングバードを力強くストローク。1曲目“PINK”をスタートさせた。奏でるギターの音、生まれるビートを完璧に乗りこなしながら放つ歌声が素晴らしい。続いて、これも弾き語りによる“絶対彼女”。観客は固唾を飲んで聴き入っていた。

3曲目“少女3号”からは、バンドメンバーたちが合流。直枝政広(G/カーネーション)、畠山健嗣(G/H MOUNTAINS)、tatsu(B/LÄ-PPISCH)、奥野真哉(Key/ソウル・フラワー・ユニオン)、ピエール中野(Dr/凛として時雨)……錚々たるプレイヤーたちのサウンドと美しい火花を散らすように響き渡った歌声。その神々しさは、“イミテーションガール”で心地よい躍動感へと転じた。ギターを置いてピンク色に塗られたマイクを掴んだ彼女は、身体を優雅に揺らしながら歌う。フロアから起こった軽快な手拍子。大好きな音楽でひとつになる幸福を、あの場にいた全ての人が噛み締めているのをまざまざと感じた。

お馴染みのイントロを経てスタートした“ミッドナイト清純異性交遊”。ペンライトを振りながら手拍子をする観客をキラキラしたメロディが包む。そんなひと時を経て突入した“新宿”も最高だった。ステージに膝をついて全力で歌声を響かせたり、自由に踊ったり、多彩に声色を変化させたりしつつ、人々を楽曲の世界に深く引き込んだ大森。そして、「2014年、おつかれさまでした えっ? ズレてる? あら。どうしよう。もう取り戻せない(笑)」……今年は2015年だと観客から指摘されて照れ笑いを浮かべながらも、「みんなが気持ちいい音楽を届けられますように!」と来年への想いを表明して、ラストに届けたのは“マジックミラー”。エンディング間際、「一番後ろまで愛してるよ!」という素敵な言葉を残して、彼女はステージを後にした。(田中大)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

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大森靖子

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