
冒頭で演奏されたのは“361°”。紆余曲折を経て原点へ立ち返り、さらに新たな一歩を踏み出したこのバンドのことを歌った曲だ。今年結成10周年を迎えた自身の歩みを体現するかのように、丁寧で、同時にしっかりと熱が詰まった演奏。金髪を大きく振り乱しながらその感情を楽器に落とし込んでいく柳沢亮太(Guitar.)。大きく歌詞を口ずさみながらビートを刻む藤原”27才”広明(Drums.)。今抱いている想いを全部吐き出すかのように、時折マイクに向かって絶叫する上杉研太(Bass.)。「思いの丈、全部置いて帰れ!」という渋谷の叫びに呼応して、フロアからは「♪おーおーおー」と力強い歌声が聞こえてきた。そして中盤で披露されたのは、3ヶ月連続シングルの第2弾として来年2月にリリースされるという新曲だ。4人が一斉に歌い上げる冒頭からオーディエンスの心を直掴みした同曲のタイトルは“うるさい”。ビーバーが「愛」を歌い続けてきた理由が凝縮された曲だった。

人と人とが真正面からぶつかり合うような、それに伴ってまた新たな感情が芽生えていくような場面が続いたここまで。セットリストのラストを飾ったのは“ありがとう”。息を切らしながら、間奏でもたくさんの言葉を詰め込んでいた渋谷は、「大切な時間をどうもありがとう」という言葉を残してステージをあとにする。4人が去ったあとの会場には温かな拍手が響きわたった。(蜂須賀ちなみ)


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