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GALAXY STAGE22:00

いつまでも「少年」であれ。そんな想いで進む、バンドの現在

年越しがすぐそこまで迫ってきた22時、GALAXY STAGEに現れたのはASPARAGUSだ。SEが鳴り渡り、真っ青な照明のなか3人が登場。「ベース・直央、Here we go!」という渡邊忍(VOCAL & GUITAR)の呼びかけに乗っかって原直央(BASS)がバッキバキの低音を繰り出し、ソリッドなギターのカッティングを導く。冒頭を飾ったのは“JERK”! 一瀬正和 (DRUMS)によるビートは今日も機動力バツグンで、バンドのサウンドを前へ前へと進ませていく。全身から絞り出すような渡邊の絶唱も、オーディエンスの心を掴んで離さない。

「ASPARAGUSにとって今年最後となるライヴをこんな最高な間取りのいい、しっかりとした物件のなかでやれるっていうのはね……ありがとうございます!」とユニークに感謝を伝えた渡邊は、今年禁煙に失敗したことをカミングアウト。直前のMONOEYESでもドラムを叩いていた一瀬は「こんな大きなステージに2回も出られて幸せです」と感慨を述べ、上下デニムでステージに挑んだ原は「マイペースですがASPARAGUSは今年もやってこれました。来年もよろしくお願いいたします」と挨拶した。そして“THAT'S WHY”と同じく今年発売されたライヴハウス限定シングルに収録の“MAY BE OR MAY BE NOT”を披露。

静と動のコントラストを鮮やかに表現した“LOST SHEPHERD”、バンドのアンサンブルが特に素晴らしかった。命を削るみたいにサウンドに感情を落とし込んでいく3人だが、それはただガムシャラに鳴らしきった結果ではない。結成13年を迎えたバンドの歩みのなかで培ってきた地力があってこその表現である。そんなサウンドがGALAXY STAGEの空気を震わせるなか、キラキラと輝く真っ白な照明は、ステージ上のバンドだけでなく、熱狂するオーディエンスをも照らし出す。目の前に広がるその光景があまりにも美しかった。

「年齢的に言ったら初老の域に入っちゃってるけど(笑)ASPARAGUSというバンドとしてはまだまだのびしろがあるというか、来年は結構成長すると思いますよ、僕ら」(渡邊)。そんな言葉に同意するかのようにフロアから歓声。「夏休みの宿題じゃないけど、その観察日記をつけにまたライヴハウスに来てください。じゃあこの2曲で今年最後の日記をつけましょうか」とクライマックスへ。ラストの“FALLIN' DOWN”まで、黄金の3ピースサウンドが轟いたのだった。(蜂須賀ちなみ)

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ASPARAGUS

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