
カイ・ギョーイがギター、ジューイ・ラモーンがベースでというフォーメーションで、3人で順番にヴォーカルを回す“さっさっサンフジンズ”で軽快にスタート。続いては歌なし・叫び声ありのインストゥルメンタル“サーフジーンズ”。カイ・ギョーイ、なんだかしょっぱなからフットワークが軽い。ギターソロのたびにカールコードがピンと浮くほどステージの端まで行くし、戻ってきたらケン・シューイとジューイ・ラモーンをあおるように向かい合って弾きまくるし。いつもと変わらないかもしれないが、この6日前に行われた「奥田民生 生誕50周年伝説"となりのベートーベン"」の時は、あんまり動かない感じのステージングだったもんで、そう思えた可能性もあります。


この曲終わりでギターとベースをチェンジ。ひとりずつ自己紹介をしたのち(ジューイのみガイコツマイクを使用、変な声を響かせる)、カイ・ギョーイ、「時間もないですし、さっさといきましょうか。また3のつく日に会いましょう」と言い(次のライヴが1/13広島クラブクアトロなのでそのことか?)、OTメロディと岸田メロディが入り交じる、軽快な“じょじょ”と“ふりまいて”を続け、場の空気を開放へと導いていく。しかし、編成も音も演奏も超シンプルなロックンロールだけにごまかしが効かないし、でもこのすごい演奏だし、飄々とやっているようで実はすごい集中力が必要なんだろうな、現にジューイ、めずらしいくらい大汗かきながら歌ってるし……と思っていたら、曲が終わったらカイ・ギョーイ、ジューイに向かって「えらい汗かいてますね。どうしたんですか?」。それほどの汗でした。
で、「年納めなんで、例の曲を、 3番だけ」と“ハリがないと”をギターソロからプレイ。夏のツアーからこの曲の恒例になったカンチョーダンスをオーディエンスにやってほしかった、それだけの理由で演奏した模様。フロアのあちこちでカンチョーダンスが起こるさまを目視したカイ・ギョーイが、身体をクネクネさせつつ手を振りつつ「どうもありがとー」とお礼を言ったあとに突入した最後の曲は、夏のツアーから披露された新曲“過注射”だった。怒濤のごときグルーヴでCOSMO STAGEを満たしたあと、「マタニティ! よいお年ニティ」と、カイ・ギョーイはシメた。(兵庫慎司)

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