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MOON STAGE16:45

多彩な魅力、深いメッセージを届けた新旧の名曲たち

今年デビュー35周年を迎えた佐野元春。現在、アニバーサリーツアーを展開中の彼が、THE COYOTE BANDの仲間達と共にMOON STAGEにやってきた。サウンドチェックの最中から、ワクワクとステージを見守っていた観客たち。心地よいグルーヴを浴びて、フロアがどんどん温まっていく。そして、ついに迎えた本番。ドラムのカウントと共に演奏が始まり、佐野がステージ袖から現れた。手拍子をする彼に誘われ、力強い手拍子で応えた観客。スタートした1曲目は、“星の下 路の上”。パンチの利いた歌声を届けながら人々をどんどん巻き込む佐野の姿が活き活きしている。そして、THE COYOTE BANDとのコンビネーションが素晴らしい。佐野元春 and THE COYOTE BANDが、最高のロックバンドであることを改めて実感させられた。

今年の7月にリリースされた最新アルバム『Blood Moon』の収録曲はもちろん、「この曲が来たか」とファンの心を粋にくすぐるセレクトも盛り込んで構成されていたセットリスト。“優しい闇”は、今年リリースされた曲だが、湧き起った手拍子がものすごい。深く愛される曲となっていることを肌で感じた。そして、「COUNTDOWN JAPANのように自由にものが言えて、歌える。そんなのが最高。でも最近、権力が介入し過ぎなように思う」というメッセージを添えて届けられたのは、“国のための準備”。リリースされてから何年も経っているが、全く褪色していないどころか、今まさに鮮烈な意味を伴って迫って来るナンバーとなっていた。

最後には、間もなく終わろうとしている2015年を美しく噛み締めさせてくれた“約束の橋”、そして問答無用の”アンジェリーナ”と佐野元春の代名詞ともいえる名曲を続けて披露、観客の間に大きな感動の輪が広がり続けたこのライヴ。初めて佐野の音楽に触れる若い音楽ファンもいたと思うが、すっかり魅了されてしまったに違いない。(田中大)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

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佐野元春

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