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MOON STAGE22:45

挑戦だらけの2015年、さらに最後の挑戦!

①12ヵ月間、毎月新曲を発表。②ミニとフル、2枚のアルバムをリリース。③10月3日、日比谷野外大音楽堂にてフリーライブ“ひとり×3000”を行う。という3つの「2015年のマニフェスト」を立ててこの年をつっ走ってきたハルカトミユキ。
ちなみに、ミニアルバムはすでに2枚リリース、フルアルバムは「まだまだ曲ができそうなので」春に延期、そこまで毎月新曲発表を続ける、という形に、このマニフェストは上方修正されている。なお、10月3日の日比谷野音は見事に満員になり、大成功を収めた。

そんな挑戦の1年をしめくくるステージ。まずミユキ(Key/Cho)がステージに走り出る。続いて、腕を挙げてあいさつしながらハルカ(Vo/Gt)が現れる。そしてハルカ、「ハルカトミユキです! COUNTDOWN JAPAN、どうぞよろしく! “世界”!」と曲紹介し、1曲目へ。イントロでも曲中でもミユキが腕を振ってオーディエンスにアピールすると、おお、腕が挙がっている。ハルカ、「踊れー!」と絶叫して2曲目に突入すると、おお、みんな即座に反応、踊っている。ハルカが歌いだすとハンドクラップも起きる、さらには腕も挙がる。

って、なんでいちいちびっくりしているのかというと、楽しさや幸せを音楽とかライヴとかで手に入れるというよりも、その楽しさや幸せに行き着く障害になる、だからその前に片付けなきゃいけない、自分の問題や自分以外の人の問題や社会の問題や世界の問題と、言葉とメロディとサウンドでもって相対する、そういう音楽を作っている人たちだからです。あと、もともとアコースティック寄りのユニットでもあります。

なので、聴く側も勝手のわかっているワンマンはまだしも、こういうイベントとかフェスになると、みんなそのパフォーマンスにぶちのめされてただただ固唾を呑んでステージを見つめるばかり、みたいな空間になることが多いのだが、今日はみんな踊っている。しかも“ワールドワイドウエブは死んでる”なんてタイトルの曲で(2曲目。12/23にリリースされたばかりの配信シングルです)。
ただ、その次は“ニュートンの林檎”、そしてさらにラウドでファストな“振り出しに戻る”、と、ハードな曲を並べることで今日のこのステージをアグレッシヴなものにしよう、というふたりの意志も見える。
で、tatsu(Ba/LÄ-PPISCH)&中畑 大樹(Dr/syrup16gなど)&松江潤(Gt/YUKIなどサポート多数でソロ活動も、元SPOOZYS)という強力なサポートメンバーたちの力もあって、今日のこのハルカトミユキの勢いに、フロア、見事に巻き込まれている。

「この1年の最後に、私たちを観に来てくれて本当にありがとうございます。駆け抜けた1年分の思いと感謝をこめて、最後に1曲だけ聴いてください」(ハルカ)と歌われた最後の曲は“Vanilla”。《間違っていた答えは間違ったままで/いつか普通の顔してまた次の春がくる》で始まり、《狂えない 狂えない/狂ってしまえない/どんなに寂しくても》《壊せない 壊せない/壊してしまえない/また同じ朝が来る》というサビに行き着く、このハルカトミユキの最初のキラーチューンが、あと50分弱で新しい年になるMOON STAGEに響きわたるさま、すごく感動的だった。(兵庫慎司)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

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ハルカトミユキ

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