いよいよMOON STAGEも最後のアクトだ。12時間以上にわたり多くの熱演を繰り広げたMOON STAGEのトリを務めるのは、2015年、恵比寿LIQUIDROOMでのライヴを成功させて、躍進の一年となったSuck a Stew Dryだ。サウンドチェックでは、ちょうど同じ時間帯にGALAXY STAGEのトリを飾るART-SCHOOLの“MISS WORLD”をカヴァー。メンバーが好きなバンドだけに、とても熱のこもった演奏だった。
一度、ステージ脇に捌けたあと、改めてステージに現れたメンバー。フセタツアキ(G,Cho)が、まずは一発「COUNTDOWN JAPAN、全員ついて来いよー!」と叫ぶと、ズンズンと軽やかに弾むビートに乗せて“僕らの自分戦争”からスタートした。続けて、最新ミニアルバム『Wake me up!』に収録されているポジティヴなナンバー“ウェイクミーアップ”では、ハジオキクチ(G,Cho)がフロアを煽り、「♪ウォーウォー」とシンガロングを巻き起こしていく。
出だしの疾走感のある空気がガラリと変わったのが、少ない音数のなかで、静謐な景色を描き出した“Normalism”だった。どうせ願いは叶わないと、深い諦念と虚無感で綴る歌詞は、ソングライターのシノヤマコウセイ(Vo,G)がいつも向き合うテーマでもある。ネガティヴを否定して、ポジティヴになれと強調される世の中の風潮。それに抗うように誕生したSuck a Stew Dryというバンドは、強い光に向かって希望を歌うのではなく、ダメな自分も赦しながら未来にほのかな光を灯す、そんな存在だ。
MCでは、フセが突然、「まだ大晦日なので、年が明けてないんだよね」と、カウントダウン前の雰囲気でライヴを進めていく。そして真っ赤な照明に照らされてツインギターがスリリングに絡み合う新曲から、躍動感が溢れる“カタカナトーク”へ。「♪あけおめ、あけおめ、あけおめ、あけおめ、ことよろ~」(シノヤマ)と、年越しっぽいコール&レスポンスでフロアを沸かせたあとは、「……あれ? あと、30秒ぐらいで年が明けちゃう!」(フセ)と、4時間遅れのカウントダウンに突入。最後は「あけましておめでとー!」と新年を祝福しながら、賑やかに“遺失物取扱所”で本編を締め括った。
アンコールでは、新年の抱負をゆるい雰囲気で語り合ったメンバー。そんななか、シノヤマは抱負を訊かれたら毎年答える四文字があるという。「死なない」だ。「生きてろよーって感じじゃなく、無理なく、ね。生きてたら、またどこかで会いましょう」。そう言って、ラスト1曲“モラトリアムスパイラル”へ。《生きていく意味 分からないまま/「さあ、未来へ」》。暗い闇のなかから、かすかに見える光を信じて歩くSuck a Stew Dryの最後の歌は、《ありのままの自分》を肯定してくれる、かけがえのない1曲だった。(秦理絵)
一度、ステージ脇に捌けたあと、改めてステージに現れたメンバー。フセタツアキ(G,Cho)が、まずは一発「COUNTDOWN JAPAN、全員ついて来いよー!」と叫ぶと、ズンズンと軽やかに弾むビートに乗せて“僕らの自分戦争”からスタートした。続けて、最新ミニアルバム『Wake me up!』に収録されているポジティヴなナンバー“ウェイクミーアップ”では、ハジオキクチ(G,Cho)がフロアを煽り、「♪ウォーウォー」とシンガロングを巻き起こしていく。
出だしの疾走感のある空気がガラリと変わったのが、少ない音数のなかで、静謐な景色を描き出した“Normalism”だった。どうせ願いは叶わないと、深い諦念と虚無感で綴る歌詞は、ソングライターのシノヤマコウセイ(Vo,G)がいつも向き合うテーマでもある。ネガティヴを否定して、ポジティヴになれと強調される世の中の風潮。それに抗うように誕生したSuck a Stew Dryというバンドは、強い光に向かって希望を歌うのではなく、ダメな自分も赦しながら未来にほのかな光を灯す、そんな存在だ。
MCでは、フセが突然、「まだ大晦日なので、年が明けてないんだよね」と、カウントダウン前の雰囲気でライヴを進めていく。そして真っ赤な照明に照らされてツインギターがスリリングに絡み合う新曲から、躍動感が溢れる“カタカナトーク”へ。「♪あけおめ、あけおめ、あけおめ、あけおめ、ことよろ~」(シノヤマ)と、年越しっぽいコール&レスポンスでフロアを沸かせたあとは、「……あれ? あと、30秒ぐらいで年が明けちゃう!」(フセ)と、4時間遅れのカウントダウンに突入。最後は「あけましておめでとー!」と新年を祝福しながら、賑やかに“遺失物取扱所”で本編を締め括った。
アンコールでは、新年の抱負をゆるい雰囲気で語り合ったメンバー。そんななか、シノヤマは抱負を訊かれたら毎年答える四文字があるという。「死なない」だ。「生きてろよーって感じじゃなく、無理なく、ね。生きてたら、またどこかで会いましょう」。そう言って、ラスト1曲“モラトリアムスパイラル”へ。《生きていく意味 分からないまま/「さあ、未来へ」》。暗い闇のなかから、かすかに見える光を信じて歩くSuck a Stew Dryの最後の歌は、《ありのままの自分》を肯定してくれる、かけがえのない1曲だった。(秦理絵)
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