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GALAXY STAGE17:20

運命を切り開く4人のサウンド、年の瀬に轟く

1ヶ月前にリリースしたニューアルバム『運命開花』を携え、COUNTDOWN JAPAN13/14のカウントダウンアクト以来の幕張に帰ってきたこの男たち。荘厳なクワイアに導かれたブレイクビーツのSEが鳴り響き、山田将司(Vo)、菅波栄純(Gu)、岡峰光舟(Ba)、松田晋二(Dr)の4人が大歓声を浴びる。「こんばんは、THE BACK HORNです」という山田の第一声の直後、鋭く切り上がるギターリフと共に繰り出されるのは“声”だ。4人が4人とも、全身から搾り出すような音と歌声で大勢のオーディエンスを巻き込んでいった。

勇壮なロックサウンドとメロディが駆け抜ける“刃”の終盤、栄純によるフリーキーなギターソロがほとばしり、山田がフロアにマイクを向けて特大コーラスを誘う。松田は感謝の思いを伝えながら「無情にも、悲しみや痛みはやってきて。それでもTHE BACK HORNは、そういう戦う奴らを励ます音楽を届けていきたいと思います!」と決意を伝える。そして繰り出されるのは、罪の意識に苛まれ混乱する心情を、混沌とした爆音と叫びで伝える“悪人”。岡峰ののたうつようなベースフレーズが凄まじい。その崖っぷちで荒涼とした心象のあとに、優しく美しく降り注ぐのは“未来”である。

松田が、2015年初頭から曲作りに取り組みアルバムをリリースできた喜びを伝える(選挙演説みたいな口調だと突っ込まれていた)と、新作収録曲であり福島HOPESの公式サポートソングにもなった“魂のアリバイ”を叩きつける。激烈なサウンドから立ち上がる“真夜中のライオン”では岡峰の高速スラップにフロアが湧き上がっていた。「2015年ありがとうー! どこまでも行こうぜー!!」という山田のシャウト、そしてソリッドなギターイントロに大歓声が上がり、“コバルトブルー”を投下するという展開だ。

「また来年もよろしくなー!」と投げかけられるクライマックスのナンバーは、最後まで渦を巻くように上昇線を描き出す“シンフォニア”。途中、松田は「歳をとるのが怖くなった」なんて言っていたけれど、THE BACK HORNの生命力のほとばしりは、まだまだ最高到達点を更新し続けているのではないか。そう思えてならない大熱演であった。(小池宏和)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

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THE BACK HORN

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