レポート一覧

GALAXY STAGE15:15

勢いが止まらないポップ集団・パスピエが冬も制す!

メンバーの登場シーンから、GALAXY STAGEに集まったみんなのワクワクが伝わってきた。今年は9月にアルバム『娑婆ラバ』をリリースし、12月22日に初の日本武道館単独公演を成功させたばかりのパスピエ。大胡田なつき(Vocal)がステージ中央で華麗にお辞儀をすると、成田ハネダ(Keyboard)が奏でるシンセが神々しく鳴り響き、“裏の裏”でライヴはスタート。この曲はアニメ『境界のRINNE』のオープニングテーマとしても2015年、多くの人が耳にしたことだろう。完成度の高い、そしてパスピエらしいポップチューンだ。個々のサウンドを高純度でぶつけ合い、鮮やかなひとつの光の筋にして放つような快感がGALAXY STAGEを駆け巡る。

「今日も一緒に楽しんで行きましょう!」という大胡田の挨拶から“贅沢ないいわけ”へ。ひとつひとつの言葉を素直な気持ちで届けようとしている彼女の歌声が、チャーミングなシンセのフレーズとみんなのパパンッと小気味好く決まる手拍子に乗って、ハッピーな空間を作り上げていく。
2015年はまさに快進撃と呼ぶべき活動を展開したパスピエ。しかしパスピエって、その音楽性もバンド全体の佇まいとしても、もともと決してわかりやすくはない、言ってみれば変わったバンドだった。だけどその活動の中で音楽とライヴに真摯に向き合いながらポップを獲得してきたからこその今を全速力で駆け抜けている。その個性を完全なる武器に変えるまでの戦いがあったからこそ、こうして大きなステージで観る彼らはとても輝いているのだ。続く“チャイナタウン”でも大きな歓声が聞こえてきて、会場の奥の奥の方までたくさんの人が手を振り上げて楽しんでいた。

成田ハネダが「どうも、パスピエです。今年は色々あったんですけど。こんな大きなステージで締めくくれて嬉しいです。この感謝を音楽で返したいと思います」と素直な思いを口にした。様変わりする曲展開と、あまりにも印象的なシンセのフレーズが特徴の“つくり囃子”、そして“MATATABISTEP”へと続くと、会場が大きく揺れるような盛り上がりに。
「次で最後の曲ですけど、みなさん今年はありがとうございました!来年もよろしくね!」と大胡田がキュートに挨拶し、ラストの“S.S”へ。三澤勝洸(Guitar)が背中でギターソロを弾いたりと個々の見せ場もたっぷりだが、やおたくや(Drums)と露崎義邦(Bass)によるタイトなリズムの上で、難易度の高いアレンジを全員で鮮やかにキメていくアンサンブルもパスピエの魅力だ。真冬の屋内なのに熱風が吹き荒れそうなステージをここに刻んでくれた5人。2016年もパスピエという音楽の遊び場でもっともっとワクワクしたい。(上野三樹)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

RO69アーティストページへ

パスピエ

このレポートをシェアする

Amazonギフト券1,000円分プレゼント!
RO69公式Twitter クイックレポート更新情報もツイート中!