
「ハーイ! 麗蘭です!」とCHABOがあいさつするや否や、蘭丸の、日本でもっともねちっこくて軽快なギター・カッティングが響く。『麗蘭』のオープニング・チューンで、この人たちのライヴにおける鉄板中の鉄板曲、“ミッドナイト・ブギ”だ。
歌を会話のように、会話を歌のように届けるCHABOのヴォーカル、蘭丸&CHABOのせめぎあうようなツイン・ギターもすごいが、CHABO BANDやアコースティク・ツアー等でもCHABOを支え続ける早川岳晴(Bass)と、あちこちのセッションやレコーディングなどでも活躍中のJAH-RAH(Drums/守備範囲が広すぎて書ききれませんが、たとえばKen Yokoyamaの1stアルバムのドラムはこの人です)、ふたりのグルーヴもすごい。


「おう、覚えてってくれ、俺たちクロマニヨンズじゃねえぞ!(笑)」とメンバーを紹介、蘭丸が歌う“クレイジー・ホース”へ。蘭丸のサイケデリック・ボイス(と聴く度に思う)とブルージーなバンド・サウンドでオーディエンスを酔わせたあとは、「テレビで何回も放送がありそうだからよ」と年末用と年明け用、両方のあいさつをしてみんなを笑顔にするCHABO。
ラストは、自分の好きな洋楽の名曲に、訳詞じゃなくて勝手に日本語詞をつける(でもそれがいちいちめちゃめちゃすばらしい)CHABOの得意技の中の1曲、“Three Little Birds”(ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ)でシメ。「今日も歩く 歩いてく」というシンプルなリフレインに、聴き手それぞれが自分の思いを重ね合せているように見えた。
曲の後半でCHABO、「みんないい年をな! 歌でも歌っていこうぜ! いいことあるぜ! よいお年を!」。この人に言われると、本当に「そうだよなあ」という気持ちになります。(兵庫慎司)

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麗蘭